広瀬 勉
#photograph #photographer #concrete block wall
君にビーツをあげるんだ
真っ赤な血のしたたるような
ビーツを口うつしで
あなたの歯が赤く染まる
あたしたちはAIでもビッグデータでもない
真っ赤なビーツをかじるふた組のしゃれこうべ
ハートビートを聞いて
真っ赤な血のしたたるような
心臓にツメを立てる
あなたの舌が赤く染まる
あたしたちは愛しあっている
真っ赤なビーツをかじるふた組のしゃれこうべ
名前を呼ばれるとは死刑執行されるということなので
いつも一瞬飛び上がり
目を閉じて
覚悟する
誰も共にいない
描かれたことのない例外を、或いはその例外が全てであるような囚獄を生きている
成し遂げることが不可能なのであれば
アルシーヴ化も不可能である
これを詩にしてみよう
名前を呼ばれる
とは
死刑執行される
ということなので
いつも
一瞬
飛び上がり
目を閉じて
覚悟する
誰も共にいない
描かれたことのない例外を、
或いはその例外が全てであるような囚獄
を生きている
成し遂げること
が不可能
なのであれば
アルシーヴ化も
不可能
である
まだ詩になっていない
名前を呼ばれるとは死刑執行されることなので
いつも一瞬飛び上がり
目を閉じて
覚悟する
誰も共にいない
描かれたことのない例外
を、或いはその例外が全てであるような囚獄
を生きている
「成し遂げられた!」と言えないので
自分をアルシーヴ化できない
まだ詩になっていない
名前を呼ばれるとは死刑執行されるということなので
いつも一瞬飛び上がり
目を閉じて
覚悟する
誰も共にいない
描かれたことのない例外を、或いはその例外が全てであるような囚獄を生きている
成し遂げることが不可能なのであれば
アルシーヴ化も不可能である
詩にならなくても良い
名前を呼ばれるとは死刑執行されるということなので
いつも一瞬飛び上がり
目を閉じて
覚悟する
誰も共に居ない
描かれたことのない例外を、或いはその例外が全てであるような囚獄を生きている
成し遂げることが不可能だったのであれば
自分のアルシーヴ化は不可能だと分かった
名前を呼ばれたら
わたしは
死刑執行される
わたしは飛び上がり
目を閉じて
覚悟する
あなたが共にいないのは
描かれたことのない例外
その例外が全てであるような囚獄を
わたしは生きている
成し遂げられた、
と言えないわたしは
自分をアルシーヴ化できなかったことを知る
#poetry #rock musician
夜啼く鳥の囀りが
立体駐車場に反響し
ブラックバードに似たその高音は
西洋に合わせた管弦の
千切れた胡弓のようだ
浅い夜
あなたのしようとしていることを済ませなさい
と言われて出てきた
モールに人気はなく
非常ボタンを押して歩く
立体駐車場の音響的結構は
ホタルの眠る長い夜を消毒してゆく
十一人は鳥のマスクをして食卓の主人を囲み
2メートル間隔で横坐りしていた
上座は奥の左だったがオットセイ達は気にしてないふりをしていた
みんなシャワーを浴びてるから体はきれいだけど
足はこんな風に洗い合いっこするのよ
先生、オットセイなのでシャワー浴びないし足無いんですけど
と言う俺を見上げて先生は
アガペーなのかアッカンベーなのか
困ったような顔をされて
あと一日で死ぬオットセイ
と仰った
まさかわたしじゃありませんよね
はいお口あーんして
介護士の感染はこのショッピング・モールもガラガラにさせた
俺に這入ったくすりには虹色の未来が入っていた
それで俺は部屋を出て
モールの管理人に知らせに来たのだ
ブラックバードが
啼いてますよと
#poetry #rock musician
鳥蹄魚の目は泪というような人ではなかったが
真っ向から対立しない限り
脱ぎ捨てる
迷いがない
呟く
ADHDによる経済的な損失はこの三月から五月までの自粛の間だと 二十万くらいだと思う
夫の律法に従うと
柿の葉の濃い緑のひかりが室内に入って
明るく黒い
ゴミ屋敷の手綱を引く
根掘り葉掘り
の
葉掘り
は
明らかに語調を合わせるための付け足しであるが
夫は明らかに葉を掘り続けている
情報を漏らす
コロナ出たのは三津の方らしいよ
目先の岬
鬱勃とラスボス
内密あんみつ姫
漏らすならお襁褓をさせなければならない
すいみん薬を飲ませて
日暮れには寝かしつけた
すると数時間後にお襁褓を履いた千体のアトムが出て行った
#poetry #rock musician