下午4點45分的訃訊
肱骨斷裂的寂靜。

 

Sanmu CHEN / 陳式森

 
 

蔚藍的內部酷熱,慢慢地
下午4點45分的訃訊
肱骨斷裂的寂靜。

       五月二十五日,只是六月之前的一個星期天。
       下午Arai 在淺草的蕎麥屋食魚飲酒,没點蕎麥麵。
       晚上Michio給義母和MOKO供上一枝折耳根的花。慢慢地
       東京灣的濤聲抹去了蠣鷸的鳴叫⋯⋯
       慢慢地,原業平的蠣鷸。

       為什麼浜辺沉沒的龍骨呼喊着無名者的名字?
       為什麼血的鐐銬鎖住了斑駁的噩夢?
       為什麼詩句還在等待傳譯而骨頭還未瘉合?

疼痛的電話瘀血,此刻
額外的躊躇,變暗
詩篇過去,一個苦澀的承諾
留下鬼魂;慢之又慢
溪中的石塊月色著低聲的反光
禱詞流淌咬住舌頭。
我知;倒伐了大樹梯子未及天風
靜靜地領受了骨骼脆烈的聲響
一縷煙。請回來
我們再一次東十条春宵酒藏
那光景,櫻未開呀冷雨飄
鎖骨的小神祗笑一笑。
曝光的底片盡顯粵語
將"遺忘的夜晚"趔趄成日語。
慢慢的淚水,那是去年的6月4日
蠣鷸兄!請收下我一枚肱骨片,
且再慢慢地飲一盃兩盃。

2020年5月應日本詩人さとう三千魚的約請,每月在浜風文庫刊載我的詩作一篇。至今約有五十餘篇,都立大學中國文學教授木之內 誠先生翻譯了其中二十多篇。昨日午後荒井告知木之內先生已於5月25日病逝。戚戚若空,詩只半揆。夜夢與先生飲。席間我贈肱骨碎片一枚予先生,一時恍惚。夢醒後整理詩稿悼念先生。

2025年7月16日~17日

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日常の些細な綻びから世界は壊れていく

 

村岡由梨

 
 

近頃 私 何かが おかしい
何者かに駆り立てられて
あるはずの階段を踏み外す不穏
ネット上の所謂正論を、
自分のこと言ってるんだって思い込む勝手に落ち込む
世界は正常で、異常なのは私なのだと
常に何かに怯えている
泣きたいとは思わない
死にたいとも思わない
芥川の言う、唯ぼんやりした不安
夕飯の支度が出来ない 何もかも
何から手を付けたらいいのか、わからない
一向に物の減らない部屋
乱雑に積まれた紙の束
生きている人たちがいるから
散らかっている
片付かない
それじゃ部屋が呼吸できない
部屋が死んでしまう
かわいそうだ
部屋に謝れ
結局おかあさんに、だらしないって怒られる
今まで関わった全ての人に恨まれている
いずれ復讐しにやって来る
全て私のせいです
壊れそうだ壊れそうだ壊れそうだ
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
もうすぐ決壊する
自分の手の指の皮を噛み千切って食べたら血が滲んだ
こうして血の味のする日常の些細な綻びから
世界は壊れていく

 

 

 

addict 2

 

工藤冬里

 
 

フェンタニルの中京は見下し合戦のショートムービーの拱手の中で身体性に按手する
切り立った石鎚に黄疸の月は隠れて
体の中に手を入れて隈なく探すメラニンの島
〈瀬戸内海は蟻がたかるくらい溶けていて〉
白い血管に声のデカい揖保乃糸を通して縫ってゆく
国語の問題じゃないんだ涙は
プチプチのADHDじゃないんだ煉瓦汚しは
名前じゃないんだ苗字は
衆院じゃないんだ産院は
遊びなはれ酒も飲みなはれ
しぐれじゃないんだ浪花は
日暮れじゃないんだマジックアワーは
変な雲

 

 

 

#poetry #rock musician

花たちへ

 

さとう三千魚

 
 

ここのところ
夏バテか

走らなかった

検診でバリウムを飲むから
今朝は

なにも
食べなかった

水も
飲まなかった

すこしだけ
身軽になって

河口まで走ってみた
ゆっくり走ってみた

河口には白い雲を被った不二がいた
鮎の稚魚たちか

群れて泳いでいた

燕たちが低い空を餌を求めて飛びまわっていた
子どもたちが待っているだろう

帰りは
歩いてきた

ゆっくり歩いて帰ってきた

義母の仏壇に女は花を供えていた
灯籠の蓮の花の絵がゆっくりまわっていた

庭のカサブランカの花弁の
地に落ちて

残った雌しべの

突きでていた
尖端が濡れて光っていた

 

 

 

#poetry #no poetry,no life