まだ
今朝は
鳴かない
と思ったら
いま
鳴きはじめた
ピッ
と椋鳥が鳴いた
友を呼んでいる
ヒトも
コトバをもつ
やっとヒトもコトバをもつ
やっとヒトも明滅するコトバをもつ
やっとヒトもいつか明滅するコトバをもつ
鳥のように
まだ
今朝は
鳴かない
と思ったら
いま
鳴きはじめた
ピッ
と椋鳥が鳴いた
友を呼んでいる
ヒトも
コトバをもつ
やっとヒトもコトバをもつ
やっとヒトも明滅するコトバをもつ
やっとヒトもいつか明滅するコトバをもつ
鳥のように
肌触り
愛玩
かわいい
翻訳すると
そんな言葉がひらかれる
ペットとは
言わない
モコをペットとは言わない
もっと大切なもの
眠るのをみていた
くすぐると
トロンとした瞳をひらいた
ひらいた
モコの瞳はひらいて
世界が
生まれた
世界は
朝
帰ってきた
急行で
自由が丘で降りた
ホームには
明るいひかりの中にいる女の子の
ポスターが
貼られていた
可愛かった
でも女の子の全部が可愛い
わけでもないだろう
美を見つけるのはむずかしい
噛んでみればいい
苦いかも知れない
みていた
遠くに
タンカーが浮かんでいた
漁礁のうえには
漁船がたくさん浮かんでいた
左眼でみていた
双眼鏡でみると
わかる
右眼で補っていた
右眼で
なにを補うのか
ないヒトとない時間を補う
みていた
みていた
それから
佇つ
歩いていく
突堤をみていた
突堤の
向こうに
海はひかっていた
空はひろがっていた
晴れた空に
半島は浮かんでいた
みえるものと
みえないものはある
磯ヒヨドリが眼のまえの堤防に止まった
紅い腹で背中は青かった
磯ヒヨドリはすぐに飛んでいった