広瀬 勉
東京・中野江古田。
休日には
朝はやく
海を見にいった
いつも
そう
いつも海を見にいくのさ
海のうえには
空がひろがってる
海の色は
空色さ
海は空の色を映すのさ
ことばもそうさ
空は海を使わない
海は空を使わない
だれも使わないのさ
なにも使わないのさ
夕方
目覚めて
モコと散歩した
地上に
空は重なっていた
それから
眠った
夜中に
目覚めて
一日は遠い
むかしのことのようだ
今朝
モコと別れてきた
おしっこにいきたい時
モコはぐるぐると
はしりまわる
ひとりで戸を開けることもある
未来に、
手が届く前にビールに、
手がのびる
道すがら、
観察して後追いした女性の
裾が、一軒の酒場に消え、
がらがらと扉にはさまる
わざと、
白桃を1Rにつめていく
そりゃ、男性ではないかも、
しれないが
雨乞いする腰骨に、これから
メトロノームをのせる
これが猿
はやくしろ、変な意味じゃなく
女性を栄養として日暮れへと
報復で二回も愛情、さらって
がらがらと扉にはさまる
面倒な
間合、離される
意見のおもしろい猿が
拾いあげたのは、
メコン川に浮いた不達の手紙
本物なのか、
答案用紙のようだが、
異境のことはわからないから
曖昧の中で寝る