どう
なんだろう
だれにも過去はある
むかし
信濃町に住んでいて
妻も
子どもも
いた
かわいい
とも
思ってた
いまは
別の女と
犬と
暮らして
いる
いま
海がひろがり
空がある
いつか
新潟の記念館で
菩薩という書をみたことがある
どう
なんだろう
だれにも過去はある
むかし
信濃町に住んでいて
妻も
子どもも
いた
かわいい
とも
思ってた
いまは
別の女と
犬と
暮らして
いる
いま
海がひろがり
空がある
いつか
新潟の記念館で
菩薩という書をみたことがある
このところ
寒い日が続いた
雪も
降った
風が吹いて
背中がぞくぞくした
コートを三つ
持ってる
田村隆一みたいなやつ
灰色と
黒と
紺色の厚手のコート
紺色は一月と二月しか着ない
電車の中で
汗をかく
ダンディーにはなれない
神田で飲んでる
お昼ごろなの
かな
鐘の音を
聴く
四谷の路地や
三栄町の
公園で聴いた
長崎の西坂の途中でも
聴いた
教会の鐘なんだね
鐘の
音は
振動だ
詩も振動みたいだね
詩人が震える
のでなく
世界が震える
世界は
停止して
激しく振動している
おととい
かな
青空文庫で
高見 順さんの詩を読んだ
死の淵よりの詩さ
亡くなって
50年が過ぎたんだね
亡くなっても
読まれつづける詩人はいいね
ほとんど
詩は読まれない
庭で
という詩が二つあった
冷たい宝石を
そっと素手に渡してきた