貨幣について、桑原正彦へ 25

 

朝‬
‪雨だった‬

‪地面を叩きつけていた‬
‪東海道線の電車に乗った‬

‪雨も‬
‪買わないな‬

‪ヒトは冬の雨も買わない‬

‪電車の窓硝子が白く曇っていた‬
‪その向こうを‬

‪景色は‬
‪過ぎていった‬

‪リノリウムの床が‬
‪窓のカタチに光っていた‬

‪窓硝子の向こうを景色は流れていった‬