半分のなにかと

 

ヒヨコブタ

 
 

うつくしいと感じるとき
半分のわたしになる
いつもほんとうはそうかもしれないこと
それを強く感じるだけなのかもしれないけれど

もう半分がなにを感じ
なにを見ているのか掴めない
ぼんやりそんなことを繰り返す

他者が近しい存在であれば
もっとそれ以上の半分が生まれていく
少しずつぼやかしながら
その感覚をぼやかしながら生きているよう

黒い気持ち、負のなにかを嫌悪し続けることをいまもしたくない
少し前に思う日々がずっしり重みのある年単位になって
半分のわたしが処理してきたり理由づけをしてきたのかとも

あえてつくりだした世界を語ったわたしはもう必要ない
反射のような防御だとしても

飛び去るようなはやさも焦燥も落ちつかせるのに
これだけの時間が必要だったのか
いまがほとんどの理想を叶えていなくても
しゅんかんに助けられること
温もりのあるひとやことばであるなら
概ねよかったんだ

あのひとやあのひとと微笑みたい
叶わなくてもあたたかなことは
なんと呼べばいいのかわたしはまだ知らなくて
知らないから明日を待ちたくて