工藤冬里
自然に二部に分かれた厚みの中で
蛍光燈の映る瓢箪
三年居た町に
書き送る 管理
話しかけられてはいけないことになっている男が座っているのだが
数段上に思える
何人居たかを考えるだけで 地表から深まる理解
霧のダブリンで I was sleeping と唄う
歌は
自然に二部の厚みとなって
蛍光燈の映り込む陽焼けした瓢箪が
三年居た町に
書き送る 管理/家政の運営 οἰκονομίαν [oikonomian]
という言葉
何人居たかを考えるだけで 地面から深まる
低くない 管理
管理 は低くない
地面から深まる
* *
自然には分かれない合唱の中では
週末の時計は考える以上に終わりを差す
きざしは常に単数形である
戦死者はたった一億人
地震はハイチ22万人の方がひどかったのに
黴が生えたと文句を言う
流行が病で不法
背中のアヒル口の中が黒い
複数系は普通以上に早く溶ける
あと二分の体制
黒を構成するいくつかの減法混合原色が
眼球の周りで分かれ
文字の止め撥ねや頬の曲線の端で顕わにされる
歌は自然に二部に分かれ その厚みの中で
テカる瓢箪
話しかけてはいけない数段上の
スーダン上の
場面は地表から深まり
オイコノミアンの中で言わしめるだろう
私は世を征服したἐγὼ νενίκηκα τὸν κόσμον.
[egō nenikēka ton kosmon]
I conquered the world.
「私は」って「エゴ」っていうんだ
エゴラッピン ていたね
蛍光管が映り込む日に焼けた瓢箪
歌は
自然に二部の厚みとなって