躯体

 

小関千恵

 
 

 

闇に溶かされた多くの輪郭に、
異物と呼ばれ
眠らされたひかりの子どもたちが
自らの知性の糸で、新しい水槽を紡いでいきます

「うわべの街に生えている僕らの足は、たまに引っこ抜いて洗うといいよ。」

それぞれの脈のせせらぎが聞こえていた

緊張による笑顔や
硬くなった腰に
あなたを探した

こんなに痒い空だって
こころだろう
しっかりと手を伸ばしたなら
きっとあの墜落気味の飛行機は
この腑に落ちてくる

空が反転しても
この躯体(からだ)は溶けない