三月はワルツ

 

原田淳子

 
 

 

三月はワルツ

春の嵐に
虎の哀しみを撹拌させる

溶けてバターになるまで
アン・ドゥ・トロワ

生・死・不明

愛が
妬いた刃をむけさせる
雨を弾にかえる
殺し殺される恐怖を
脅迫で語る勿れ
殺戮に善悪はない

命の対価で失うのは
小麦粉だけではないでしょう

仔猫が埋められたというその固い庭に
山鳩の屋根から種をばら撒いた

永絶された未来
一次元のスケートリンクで四回転半

夜更けの地震
土砂降りの雨
季節が身震いして
三月、シフォンの陽光が
花を照らす

バターになるまで
哀しみを撹拌させる

 

 

 

 

松田朋春

 
 

戦地だから
地面が揺れているのであった
地震ではなく
わたしが割れていて
知りたいことは既に
その辺に転がっていて
個室があいたりしまったり
一刻も早く
全てが終わって
ほしいです
私は
ここにとどまって
助けて
助けて
助けるだけです
おわるもの 
おわるとき
仏教がなぜ
途方もない
時間の尺度で
考えたかわかった
目の前でおこっていることが
真実の
影のようなものだと
思うしかなかった
今日は何曜日なのか
何日なのか
戦争がはじまってどれだけたったのか
弱いものは
土地とからだに留まり
世界を見つめて
こんなんじゃなかったんですよ
鳩の群れを見るように
ミサイルの着弾を横目に見て
散歩したり
買い物をしたり色々しています
兵器の音が区別できるようになった
ここには癌の子供たちがいて
大切に大切に守って来た命を
爆弾が根こそぎさらっていくので
泣いてるのです
最終的なものが
ふらふら歩いてる
美しいものは弱い
それでも赤ん坊のように
批評している
雪のようにその場限り
空を覆う

 

 

 

また旅だより 43

 

尾仲浩二

 
 

町の中華屋でレバニラとビール。
他に客もなくNHKではロシアの侵攻のニュース。
88歳の主人が、この戦争はどうなるんだろうと言う。
どうなるのでしょうねと僕。
ほんとうにどうなるのだろう。

2022年3月6日 東京、中野にて

 

 

 

 

あそぶということ

 

さとう三千魚

 
 

みなさんとあえて

よかったです

しろくませんせいとよばれて
うれしかったです


みなさんが
おやつをたべたり

あそぶのをみていて
しあわせになりました

おとなになると
みんなわすれてしまうのですが

あそぶことのなかには
とてもたいせつなことがあるとおもいます

たいせつをひとつだけみつけて
ずっとずっともちつづけることができたら

みなさんは
とても

しあわせになれるとおもいます

 

2021年3月15日に書かれた過去詩です。

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

Hitchhiking in Antarctica

 

工藤冬里

 
 

El que aguante hasta el fin será salvado

Este reino hará añicos y pondrá fin a todos esos reinos

川を渡るとき、きみが水にのまれることはない

ウリ坊が走っていてかわいいが最近大三島で猪骨ラーメンを食べたので美味しそうだなとも思った

砂原と柾木頑張ってんじゃん

ラフな漆喰は下から塗った方がいい。瓦とおんなじ理屈だ。ただ俺は自分のために装飾をしたことがない。
生活を楽しむなんてことは永遠にありえない。俺はpopだ。でも水谷みたいなやり方はしない。
基地があるのにプラズマとか両立しないだろ。エゼキエルじゃあるまいし。

江上さんとこでやるんで徐々にアゲていってる
life is my oyster とか if I had a gun とか
https://open.spotify.com/album/7faOMCAPAHZrJ9tEX2I8zt

浪に群れ飛ぶカモメさえ
no desconocemos sus tácticas
今年は梅を見てない、と梅を見ながら思う

その区域はぶどうとキウイ園を中心に四角く区切られ、北側に大家の家屋、畑の中には風呂トイレなしの二棟、外に接する両端にはアパートが食い込んでいた。西側のアパートの一階には砂に字を書く若夫婦が住んでいた。神様の名前はらうむ様といいます、と彼らは言う。コソボ空爆の頃で、このような蛮行をらうむ様が許す筈はない、と憤るので、ヨハネ14:16を見せると「助け手」を黒マジックで囲み、やっぱり、と喜ぶ。なんとか聖水というので点てた茶を振舞われたが嚥下せず飲むふりをする。全巻に対する敬意が無いと判ったので、それからはreturn visitは行(オコナ)っていない。園の中の別の戸口で、出てきたヒッピーの隣人に、断られて立ち去る時に、「今日は、晴れてますね」と言ってみたことがあった。彼女に顔が戻って、空が湿った土に堕ちてきたのが分かった。捨てられた猫が仔を産むので大家は殺して埋めているという噂が立っていた。その所為か、区画全体が薄暗かった。隣人たちは、出入りの際、キウイの太り具合を触って確かめていたが、僕は盗ったことはない。一日中アルトの練習をしている山梨の男も住んでいた。ピアノのコードが間違っていると、サックスが壊れる、と真顔で言う。ソプラノだったら捻じ曲がらずに献身できたかもしれない。勿論別棟にはソプラノの男もいた。三センチくらい積もった埃が舞い上がらないように、息を潜めて生活していたので、完成されすぎており、欠落を意識するところまではいかなかった。何をしていいか分からない男もいたが、食養を極める方向に進んだ。乾純とはまったく会話がなかったが、最近になって急に個展の連絡とかくれるようになった。など。

3月11日
Debemos soportar las debilidades de los que no son Fuertes

温暖化から気候変動に変わった時点で反石油ビジネスであることが露呈したわけですからチェルノブイリ攻撃は「それはこういうことか」的な居直りだと思います。
乱暴に言えばベイトソンや音響派は〈共存〉の環境ビジネスを準備していたことになります

3月12日
サメの後始末
予告編
https://youtu.be/Q6IrorTvt_w

自分が罹災するまでは増えていると言ってもニュースだけだ
当時の都知事が天罰だと言ったその災いは
潜る時お辞儀する国民の
娘核に置き換わった結界を意味していた
おのれが悪いと断定された温室の中で
大ドブきゅうりの後始末のように無駄
零下でも裸足の下駄に生き残るための指示が与えられた
鳥や獣を作ったことまでも悔やんだ
このマチの過ち
生き延びるための指示がトランス脂肪酸だけとか条件を満たしてない
アナニアスはフェストとアルビノスの端境期にヤコブを殺す権限があった
兄貴

 

 

 

#poetry #rock musician