佐々木 眞
横須賀に行くと、詩ができるのは、なぜだろう?
私は歯が痛くなると、いつも横須賀大滝町のキシモト歯科に行く。
そして治療が終わった後は、いつも「閑雲」へ行って、お昼を食べることにしている。
「閑雲」の前は、三崎ビルの商店街の中にあった横須賀一美味い香港料理の「朝廷」で、上品な薄味のぬるいラーメンと餃子を食べていたのだが、コロナ禍で殆ど閉店休業状態になってしまった。
それで、ほかの食堂をあちこち試してみたのだが、どこも気に入らず、三崎街道を闇雲に歩いていたら、この不思議な名前の和食屋にぶつかったのよ。
いやあ、なんたって店の名前が面白いよね。
もしもおらっちが、新しい飲食店を始めることになって、その名前を考えても、まず出てこないネーミングだよね、これは。
待てよ、もしかすると、横浜美術館の館長、蔵谷美香さんなら、思いついたかも知れないが、その場合はおそらく「暗闇」か「闇雲」になっただろう。
ともかく、無闇に素晴らしい店名だ。
地下へと続く階段を降りて扉を開くと、いつも3人のおばさんが、
「いらっしゃいませえ!」を、元気にハモらせながら迎えてくれるので、うれぴい。
「今日もなんとかぐあんばろう!」という気持ちに、なれまっせ。
それにしても、横須賀に行くと、詩が闇雲にできるのは、なぜだろう?