michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

メタフィジカル・ディスタンス

 

工藤冬里

 
 

遂に消したな
扇風機の
風は必要だが 
嘘の体

冷ましてしまうから 
その向き
は巧妙にずらして
オトシイレようとする
押入れトイレ情報
によって 二世帯

冷えすぎないようにしている

公正なアカウント
の距離
について迷った時

悪を行う群衆
についての用語
を作ることに力強い者たち

付いていかないようにする

顔を出せない
プロフィール
の死者たち
を死者として気遣うアバター

あゝ福田くんは死んだ
と言わせる

送信イツダツする前に
ヨビモノとなっている同調圧力
のアロンに吹く風の流れを思えば
貧しい人の争い
も相手によって目線が変わるので
外国人の気持ち
が分かるきみは
目を半沢直樹みたいに大きくしてはならない

アロン・アゲイン

あゝ白髪なのに十年前からまだ生きている
心を働かせて
なよなよと吹く風の中でマイケルは
モーセの体について効率的に論じ合う

貧しい人や立場の低い人や弱い人が常に重要なので
新しい眼付とマイケルの髪型で法規を読む

敵対者を手伝うこと
について考えると
賄賂を受け取る気持ち
が分かってしょうがない
菅義偉官房長官はボードレールの髪型にしないといけない

土地を休ませなければならないと思うが
野生動物の気持ち
を朝まで聞き逃す

空き地には木を植えるので
親のない子が休めるようにしたい

洞窟は掘らない
金は隠さない
黒いレクサスは買わない

心配事を話すと優しくしてもらえるので
寒気を感じる部分の賄賂をシャットアウトした

悪意の無い中傷の肩幅
話したい衝動

もしおれがちゃんとしていたら
きみに怒っただろう、

でも自分の落ち度によりおれは
今の時期の扇風機くらい無力だ

目を閉じるとフレームが見える
タレルのopen fieldのように 見慣れた四角ばかり

フレームの中では離れれば離れるほど近くなっていくように見える

不意に
死者との距離
を忘れさせるサンフランシスコの
山火事
フレームのない山火事は宇宙からも見えた
きみの削除痕はきみの外からも見えるだろうか

居なくなったきみの近さの中へ
秋の扇風機はなよなよと風を送る

 

 

 

#poetry #rock musician

安息日的光輝一一

 

Sanmu CHEN / 陳式森

 
 

在屈身之中

哀號的馬帶矛離開了格洛尼卡,
離開了夜的油麻地;
一地的哭,基礎了雨的勒痕。
這麽深,勒痕,花朵!
這麽多的祖國各自爲難……
釘子,淚珠,注射器
這麽多的花朵。
高壓水炮車清洗藍色,
詩篇越發暗淡,我
大雨滂沱。
市場的內臟開始衰腐;
糧食的日子荒凉,限聚餐桌。
落網之魚爲佛陀洗足,泥石濁流!
在屈身之中,格洛尼卡的馬瀕死。
黑前線,捲旗,
群鼓律動成我們的心跳。

鮮花已將鮮花交給了鮮花

空白空白空白空白空8月2O日21日被拘羅湖週年。首句摘自保羅 . 策蘭《安息日》未句。

.

 

 

・翻訳はこちらで
https://www.deepl.com/translator

 

 

 

Not a day passed but he thought of his mother.
彼が母のことを思い出すことなしに一日も過ぎなかった。 *

 

さとう三千魚

 
 

almost anything
she didn’t tell me

she was just looking at me silently

words of caution and rebuke
I have never been told by her

almost
I don’t remember

I think she told me to be a cute person

leaving home when young
I couldn’t be a cute person

she may have been a cute person

she shed a tear
and died

Not a day passed but he thought of his mother *

 

 

彼女は

ほとんど
なにも

言わなかった

ただ黙って見ていた

小言や
叱責の言葉を

言われたことがない

ほとんど
記憶にない

可愛い人になりなさいと言われたようにも思うが
若いころに家を離れて

そう
なれなかった

彼女こそ
可愛いひとだったかもしれない

涙ひとつ流して死んだ

彼が母のことを思い出すことなしに一日も過ぎなかった *

 

 

*twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

夜のシンフォニー

 

工藤冬里

 
 

何処かの奥底でウシガエルの喉の声がヴァイヴ設定されたスマホそっくりの間隔で鳴り止まず

情緒は日暮しの身体全体の振動からしか来ないのかと思っていたが

喉の声調も捨てたものではなく

と言うことは

人の声に感動することだってありうるのかもしれない

とまで考えたら

音がやまった

やまる
は俗な言い方だが

やまった

と思ったら

さらに奥底で鳴り続けている

そう書くと

エッセイみたいだが

鳴り続けている

いや

いた

過去形だ

いまはまた聴こえなくなった

代わりにバイクの音がする

あれはピザ屋の原付の音ではない

いや

盗んだバイクで〜の音でもない

秋虫の非喉音と耳鳴りも浮上してきた

カタカタいうラチェット型の玩具の
あの効果音は

モーツァルトのシンフォニーにも使われていたし
ブリューゲルかなんかの
子供の凧揚げみたいな絵に出てきていたように思うが

ここで特定しようとすると堀江敏幸さんのエッセイみたいになってしまうので

そうした探究と出会いが人生ではないということを知らしめるために

ここで再び音に戻る

相変わらずウシガエルを通奏低音に

鈴虫と

遠くの夜中の国道の

サウンドスケープが

楽譜として描画される夜更け

素晴らしいループのコンプレックスの
シンフォニーじゃありませんか

ウシガエルの喉の通奏低音が人間の機械音を呼び込んで

いま夜の地表で神と人が肘タッチしている

 

 

 

#poetry #rock musician

去りゆく夏

 

佐々木 眞

 
 

数十年に一度の
これまでに経験したことのないような
生命の危険をともなう
台風ピーターが
窓の外を
通り過ぎていった
北朝鮮の独裁者めがけて

すると突然
私の口の中に
一匹の蚊が
飛び込んできたので
私は
口を閉じて
そいつを殺そうとしている

 

 

 

He gave me a lift in his car.
彼は私を車に乗せてくれた。 *

 

さとう三千魚

 
 

sometimes dog Moco runs up

morning

to get the newspaper
when opening the front door

Moco runs up and looks up

trying to go out
when picking up a car key and clicking

Moco is

hurry up and run up
look up

When picking up a newspaper
I hug Moco and take it out of the post

when we go out
almost Moco is at home

this summer
because it was like a scorching day

little Moco burns her legs outside

so Moco is at home

when taking a walk
when it’s cool in the morning and evening

walking in the neighborhood

sometimes I drive to the sea

beach park
walking with Moco

at that time Moco
sitting quietly in the passenger seat

He gave me a lift in his car *

 

 

犬のモコが

駆け寄るときが
ある

新聞を取りに
玄関のドアを開けるとき

モコは駈け寄って
見あげる

出かけようと
車の鍵を摘み上げカチャ


鳴るときも

モコは

急いで駆け寄って
見あげる

新聞を取るとき
モコを抱きあげてポストから新聞を取りだす

出かけるとき
ほとんどモコは留守番になる

この夏は
灼熱のような毎日だったから

ちいさなモコは外では足に火傷する

だから
留守番になる

散歩する時は
朝と夕方の涼しいとき

近所を歩いてくる

たまに車で海まで行き
海浜公園を

モコと歩いてくる

そんなときモコは
助手席におとなしく座っている

彼は私を車に乗せてくれた *

 

 

*twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

リヴァーシブルなポケットの着脱

 

工藤冬里

 
 

縫い目のない編み方は輪っかからかなあ
石ころを転がして籤を引く顔たちがサバゲーとかしてそうな
近遠煙禁法の頭蓋の丘で
棒杭は立てられ
掃除婦はモップ掛けに勤しむ
全てが間違っていて毛ほどの接点もない
四次元では球を割らずに裏返すことができると言うが
裏返らなければパラダイスに一ミリの接点もない
奄美のメリスマが入り口だったが
今はゴルゴ13に見張られている
徒刑場の全員がマスクをしている
受刑者までが
マスクをしている

 

 

 

#poetry #rock musician