michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

What do you want with me?
私に何の用事ですか。 *

 

さとう三千魚

 
 

I want to meet a little bird

so
I want

in the morning

when I wake up
I open the window

the tangerines at the tip of the driftwood branches on the windowsill have dried up.

the west mountains stand in ultramarine under the light blue sky.

I want to meet a little bird
I want to meet a little bird

someday
I want to meet

so
I want

What do you want with me *

 
 

小鳥に
あいたい

そう
思うのです

目覚めると
窓を開けて

窓辺の流木の枝の先の
蜜柑の

干からびて
西の山が

薄い青空の下に群青色に佇っています

小鳥にあいたい
小鳥にあいたい

いつか
あいたい

そう
思うのです

私に何の用事ですか *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用しました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

I put aside the book I was reading.
私は読んでいた本をわきに置いた。 *

 

さとう三千魚

 
 

yesterday

from evening
it was raining

it became a storm at midnight

the rain was banging on the ground

this morning
sunny

on the windowsill
I put the tangerines of the little birds

I listened to Thom Yorke’s song

repetition
listened

singing “we were standing on the edge” **
singing “we were standing on the edge” **

this morning
on the windowsill

little birds do not come

I put aside the book I was reading *

 
 

昨日は

夕方から
雨が降ってた

深夜には嵐となった

雨が
地面を強く叩きつけていた

今朝は
晴れて

窓辺に
小鳥たちの蜜柑を置いた

トム・ヨークの歌を聴いた

繰り返し
聴いた

“we were standing on the edge” ** と歌っている
“we were standing on the edge” ** と歌っている

今朝
窓辺に

小鳥はこない

私は読んでいた本をわきに置いた *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用しました.
** RADIOHEADの曲「LUCKY」から引用しました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

追いつけぬ、春

 

ヒヨコブタ

 
 

濃い紅色の花が咲く頃はとても嬉しいのに
薄く色づいた花が咲き始める頃
わたしは落ち着かなくなっている
毎年のことだ
と言い聞かせようとして
さて
毎年がここ数年は少しずつ異なっていることを思い知らされて
また落ち着かない心持ちになる

家の窓口になるというのは
不幸があってもお祝いがあってもさしてかわらないのだが
不幸が続くと
花をみる心も揺らぎ始める

墓参りを済ませ
すこし清々しく感じても長続きせず
年老いて気弱になり始めることばを吐く人たちに
ゆらゆら揺らされていることにも気がつく
平気な顔をしてそれらを片付けては
ため息のような空気がこころにたまっている

変化していくのはなにも子どもの頃だけではなかったのだ
大人になり年々季節が変わるのに追いつけなくなっているじぶんがいる

わたしの年齢にかつて暮らした親を重ねてみても
なんだか心許ないのは
そのひとたちに心底安心を得て過ごしてきていないからではないかと
責任転嫁してみる
いや揺れ動くじぶんを
操ったり宥めたりすることが
まだまだ不得手なのだと
思い知らされる気がする

春を待ちわびていたのは
何かが変わるからだった
いまはそうではないのかもしれない

日々新聞をひらくとそこには猫が乗り
撫でろと鳴く
一枚捲るのに宥め撫でながら
すこしの安寧がそこにあることを思う
猫は撫でて欲しいのか
はたまたそうではないのか
わからないまま撫で、ブラシをかける
気が変わりすとん、とジャンプをして
また寝入る猫に
羨ましいようなほっとするような不思議さ

春は嫌いだといえばいいのか
いや春は好きだ
いまのじぶんの心持ちが好きではないのだと
離れたじぶんがじぶんをみている

 

 

 

She wept like anything.
彼女はひどく泣いた。 *

 

さとう三千魚

 
 

because the woman is going to aerobics

to the station
by car

I sent her

on the way home
I came back a shortcut along the river

Somei Yoshino cherry blossoms were in bloom along the river

flowers

concently
bright

in the evening
I’m going home

so the woman said

we had walked under the flowers with her mother

She wept like anything *

 
 

女が
エアロビに行くというので

駅まで
車で

送ってきた

帰りに
川沿いの

近道を帰ってきた

川沿いにソメイヨシノの花たちが咲いてた

花は

こんもりと
あかるい

夕方には
帰るよ

と女は言っていた

花の下を女の母と歩いたことがあった

彼女はひどく泣いた *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

pass over musings

 

工藤冬里

 
 

一番大事な満月が明日です
血と体が目の前を過ぎるのを見守るという
一瞬だけのメモリアルですが
‘リアル’と踏みたいとは思いません
発酵は明日は罪です
松山は昨日は59人でした
マスクはよく忘れます
猫と目を合わせても負けなくなった
終活(ルビをアルシーヴ)に疲れたからかな
今日は39人
罹ったかも このまま治らないかなあ

 

 

 

#poetry #rock musician