工藤冬里
気の滅入る情報は最小限に
落ちた胡瓜を可能性として料理する
蝉の腹から伝わっていく梅雨明け
<接触しようとしている>
遠い近所のパン
集落は一族の陰謀なので
ヴォネガットが政体を同姓クラブに変えても
変わりようのない未来に変わる
#poetry #rock musician
気の滅入る情報は最小限に
落ちた胡瓜を可能性として料理する
蝉の腹から伝わっていく梅雨明け
<接触しようとしている>
遠い近所のパン
集落は一族の陰謀なので
ヴォネガットが政体を同姓クラブに変えても
変わりようのない未来に変わる
#poetry #rock musician
listening to “hatch” **
Listening to your saxophone
Listening to your cello
The first time I heard your soprano saxophone
Was it Kofu city
Was it Sakuraza
After the fermentation of the grapes is over
Listened
There was a distant image
・
I wonder what has become of his sister *
“hatch”を聴いてる
きみの
サックスを聴いてる
きみのチェロを聴いている
ソプラノの
サックスの
音の
はじめて聴いたのは
甲府だったか
桜座だったか
葡萄の発酵が終わった後で
聴いた
そこに遠い俤がいた
・
彼の妹さんはどうなっただろうか *
*twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.
** “hatch”は、Yow Funahashiのソプラノ・サックスとチェロによるCDタイトル.
子供の頃から知ってるが
天才だった
でも今は商売の邪魔になるから消す
奴が消えることで
すべてうまくいく
everything’s gonna be alright
生き返られちゃ困る
腕白でもいい
たくましく育ってほしい
でも生き返られちゃ困る
生き返られちゃ困る
あったかーいお部屋で
つめたーいカルピス
ぶん殴れ
唾をかけろ
違法裁判でもいい
生き返られちゃ困る
#poetry #rock musician
before noon
for the first time in a long time
Sunny
I saw the nostalgic blue sky
I thought
also
Rain
started to get down
Is it heavy rain?
suddenly
start strongly
leave fast
・
He made no end of excuses *
昼前
ひさしぶりに
晴れた
なつかしい青空を見た
と思ったら
また
雨は
降りだした
驟雨というのか
突然に
強く降りだして
早足で去ってゆく
・
彼は際限もなく言い訳をした *
*twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.
*
すっからかん
すっからかん
ジャックラカンも すっからかん
五百羅漢も すっからかん
三月四月 すっからかん
五月六月 すっからかん
七月八月 すっからかん
数年後でも すっからかん
吸うからいけん すっからかん
吸わなきゃいいのか すっからかん
ソーシャル・ディスタン スッカラカン
(振付:肘タッチ)
橋の欄干 手を腰に
はるか向こうを 眺むれば
十七八の 姉さんが
アニス羅漢果はバンド名
姉さん姉さん どこ行くの
スリランカカレー 食らわんか
私は九州 鹿児島の
西郷すっからかんの 娘です
薩摩焼なら 沈壽官
鞍馬天狗の アラカンが
かんらかんらと 観覧車
*
ワイン安けりゃ あっけらかん
楽観的な 約款も
TPPで すっからかん
あきらかなのは すっからかん
シーラカンスも すっからかん
乱獲されて すっからかん
*
アキラも明菜も すっからかん
ランタンパレードも すっからかん
キップ・ハンラハンも すっからかん
バート・ランカスターも すっからかん
ピンカラトリオも すっからかん
からゆきさんも すっからかん
スカラーシップ返せず すっからかん
夜間高校 すっからかん
*
ずらかんないと すっからかん
使えぬ薬缶と 水道管
餡から食べて 実を枯らす
*
すっからかん
すっからかん
ソーシャル・ディスタン スッカラカン
etc
#poetry #rock musician
暖かな家族だったと信じて
生きてきた
いまではその幻想も冷えきってしまった
ほんとうのことを思い出すというのも
それを認めるというのも
とてもおそろしいことだった
置き換えてすり替えてそのひとらを擁護したくても
もうできない
もうしなくていいんだ
子どものじぶんには罪がなかったと言ってほしいと何度も願った
父の前では笑顔になる母に
なにか些細な代表に他のきょうだいではなくわたしが選ばれたことに憤慨する母に
お前が選ばれて嬉しいと
そういってほしかった
ただそれだけだった
一般的ではないということは
共感を得づらいということなのか
家族の話は
幻想としてしか他者には話しづらいのは
老いと病を得たとき
近づいてくるそのひとの
こころにある凶器は変わらないことを
もう認めようか
振りかざされてからでは
遅すぎるのだ
もう戻らない
何度もよみがえると
こころが壊れてしまうから
母の存在を意識のなかでは消してしまわなければと思う
誰の迷惑にもならぬよう
誰かより目立たず誰かより褒められないことが
生き残る術だったなんて誰が信じようか
小さな家の箱のなか
もう二度と足を踏み入れたくない箱のなか
あの箱のなかなにがあったのかを
あのひとがどれほど飾りたてようとも
閉じる
I may meet the flock
on the beach
in the high sky
to fly
view
in the blue sky
white feathers
plunge
They pierce the sea surface
bite the fish
fly away
on a sunny beach
sometimes I meet the flock of terns
その群に
出会うことが
ある
浜辺で
高い空に
飛ぶのを
みる
青空に
白い羽がしなって
急降下し
海面に突き刺さる
魚を咥え
飛び去る
晴れた浜辺で
アジサシの群れに出会うことがある
*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.
セミの波状の侵入が
卓上のディスプレイに混ざる
邪魔するのに飽いて人語を話す猫は
人生の削りかすを睡眠剤に変える
あゝ皿ヶ嶺の進化論の障害
燐寸箱のデザインの家が建ち並び
龍は天麩羅にされている
地球が人間にフィットしたのであって
人間が地球にフィットしたからではないので
十日の旅をする水に
胸の筋肉で話しかけなければならない
柿の木の刺蛾と蟷螂の戦いをじっくり考えた洗濯物は軒下で首を吊る
刺蛾の食う実のない言の葉の
雨のような音
と雨
#poetry #rock musician
寒い
寒い
バス
窓の隙間から
びゅっ、だ
もう5月も半ばだってのにな
寒いけど閉めれません
コロナ感染っちゃうから閉めれません
今日出社日だったけどオフィスがらん
定時にあがっていつも満員の電車がらん
武蔵小金井から小平団地中央に向かうバスに乗り込んで
ぼくの他は?
ひとーり、ふたーり、さんにーん
がらん
最前列の席は「コロナウィルス感染予防のためご遠慮下さい」
びゅっ、だ
寒い
でも隙間は必要です
ご協力お願い致します
発車しました
ぼくの前にサマーカーディガン着たひとーり
ぼくの後にぼくと同じ背広姿のふたーり、さんにーん
みんなマスクして俯いてる
前の人は髪長めだから女の人かな
顔わかんなーい
よんにーんで出発
ゆらーり、ゆらーり、ゆらーり、ゆらーり
頭小さく左右に振る
ぼくも小さく頭振る
おんなーじタイミングで振る振る
「学芸大正門、学芸大正門」
誰も乗らない
びゅっ、だ
「貫井北町五丁目、貫井北町五丁目」
誰も乗らない
びゅっ、だ
ううっ、寒い
閉めれません
コロナ寄ってくるから閉めれません
おっとブザーが鳴りました
「喜平橋、喜平橋」
女の人らしきサマーカーディガンの人が降りるようです
ふらーり
IC定期券ピッ
顔わからんないまま降りてった
残るは3人
ふらーり、ふらーり、ふらーり
おっとまたブザーが鳴りました
「警察学校、警察学校」
わぉ、2人降りちゃうんだ
ふらーり、ふらーり
顔わかんないまま
ピッ、ピッ、ピッ
発車
びゅっ、だ
窓ガラスの隙間をふと覗くと
街路樹が
降りてった3人の代わりに
ふらーり、ふらーり、ふらーり
隙間空いた窓ガラスにマスクつけたぼくが映ってて
顔わかんない
街路樹と一緒に小さく頭振ってるうち
「終点、小平団地中央、小平団地中央」
着いたな
ふらーり
運転手さん、マスクしてて顔わかんない
ピッ、降りようとしたら
隙間みるみる大きくなって
びゅっーっ
うっ、こりゃ
最後まで
寒い
寒いバス
In the afternoon
I went to Seaside Park
with Moco
I walked a little along the beach
The crape myrtle pink flowers were blooming together
Thunder
Because it started to rain heavily
with Moco
in the car
I was listening to Tori Kudo’s “unify my heart”
In the sea
There were children playing in the rain
・
Children don’t feel tired
with Moco
I was listening to “unify my heart”
午後に
モコと
海浜公園に行った
モコと海辺をすこし歩いた
サルスベリのピンクの花たちがかたまって
咲いてた
雷が鳴り
大粒の雨が降りだしたので
モコと
車の中で
工藤冬里の”unify my heart”を聴いていた
海には
雨のなかで水遊びする子どもたちがいた
・
子どもたちは疲れを知らない
モコと
“unify my heart”を聴いていた
*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.