休日の午後には
食べたりする
西瓜や
桃や
梨や
食べる
口の中に
果汁がひろがって
さっぱりするね
スーッとするね
そのヒトに電話してみた
はじめに
奥さんがでて
そのヒトは腰は少し良くなったといった
テレビばかりみてますよと
笑った
休日の午後には
食べたりする
西瓜や
桃や
梨や
食べる
口の中に
果汁がひろがって
さっぱりするね
スーッとするね
そのヒトに電話してみた
はじめに
奥さんがでて
そのヒトは腰は少し良くなったといった
テレビばかりみてますよと
笑った
先日、小学校の同級生2人とともに旅行に行った。目的地は淡路島と姫路。電車と新幹線、高速バスを乗り継いで行った。
明石海峡大橋は大きかった。想像以上に大きかった。海からの高さも高く、落ちたらきっと助からないだろうと思ったら少しだけぞっとした。淡路島は快晴だった。渦潮を見るためのフェリー乗り場にはちょっとしたお土産屋さんがあった。いたるところに玉ねぎを使ったお菓子やスープなどがたくさん並んでいた。玉ねぎが有名だとは聞いていたけれどこんなにも推しているのには驚いた。時間になったのでフェリーに乗った。潮のにおいが鼻につんときた。海は青いというより鮮やかなグリーンだった。渦潮は吸い込まれるような美しさと迫力があった。海風は気持ちよかった。
古民家を改装したような民宿に泊まった。女将さんはとても親切な人だった。隣との壁は薄かった。大学のサークルらしきメンバーが泊まっていたようだった。とても騒がしかった。お酒を飲んだ。たくさん、久しぶりに飲んだ。3人だけが知る昔話は秘密の共有のようで嬉しかった。わたしたちはもうわたしたちだけで旅行に行ける年になった。お酒を飲めるようになった年もずいぶん前に通り越した。もうこんなに楽しくゲラゲラ笑いながら過ごす、この3人の夜はきっと来ないだろう。結婚する人がいるだろう、転勤で遠方にいく人がいるだろう、色んな制約がたちはだかるだろう。お互いそれをわかっていたから、ずっとこの日が続けばいいと思ったはずだ。
翌日は生憎の雨だった。各々好きな色の傘をさした。小学生のときは黄色の傘でないとだめだったことを思い出した。あの時は後ろから見たらみんな同じに見えたっけな。
姫路城はやっぱり白かった。天守閣に登るのに1時間もかかったけれど、けっしてお城に興味があるわけではないけれど、確かな感動を味わった。だから世界遺産なんだなぁ~と感じた。
帰りの新幹線はあっけなく地元の最寄り駅に着いた。別れの時間だった。貴重なこの時間をかみしめながら手をふって別れた。また行こうねとは誰も言わなかった。それがなかなか難しいことをお互い分かっていたし、社交辞令を言うような間柄ではなかったから。それが逆に清々しかった。
雨がいつのまにかやんでいた。雨水で少し重くなった傘をぷらぷら揺らしながら帰路に着いた。
ボートは
手放してしまった
日の出まえの海に
漕ぎだして
ビールを
飲み
朝日を見る
ということもない
ことば以前に
朝日は海原にのぼった
そのことを
どこに
措くか
そこに死者たちの場所がある
海原は
キラキラ光っていた
笑っていた
平成は、天皇陛下が亡くなったからでしょ?
そうだよ。
お父さん、動物の英語は?
アニマルだよ。
動物、動物、動物。
お母さん、ぼくが笑ったから、森田先生バカタレて言ったんですよ。
そうなの。
そうなんですよ。バカタレー、バカタレー。
お父さん、綾部におばあちゃん2人いたんだよ。
誰と誰?
愛子さんと静子さんだお。
とのさきさん、「今度検診」ていいましたよ。
まえ京王線、京浜東北線に似ていましたよ。
6扉車座れないよね。
うん。
ラッシュのときでしょ。
そうだね。
スイッチバックは、登ることができないからでしょ?
そうだよ。
お父さん、京浜東北線、急行なかったでしょ?
無かったね。
京浜東北線、品川で止まるようになったでしょ?
そうだね。
古い横浜線、さようなら、さようなら、さようなら!
前、お父さにんに「汚いから手を洗え」っていわれちゃったのよ。
そうなんだ。
ひたい、おでこのことでしょ?
そうだよ。耕君のおでこ、どこ?
ここですよ。
沖縄は那覇でしょ?
そうだよ。耕君、沖縄行きたいですか?
分かりませんお。
お母さん、歯石は歯のごみだよ。
そうだよ。誰が歯石取ってくれたの。
岸本先生だお。
耕君、きょうはふきのとう舎でボーナスがでるじゃない。ボーナスってなに?
お給料のことですお。
松島奈々子、結婚しましたお。
そうだね。結婚したね。
お母さん、ぼくカーブミラー好きですお。
そう、お母さんも好きですよ。
カーブミラー、カーブミラー。
お母さん、「大したことない」ってどういうこと?
大丈夫ってことよ。
耕君、こんなお天気になるなら、ふきのとう舎、行けたね。
お母さん、そんなこと言わないでください。
お母さん、ロープウエイある?
あるよ。「噴火の浅間」っていうテレビでみたのね?
そうだお。
ぼく、頑張っていますお。
そうなの。耕君、なに頑張るの?
分かりませんお。
お母さん、ヨーグルト食べてくださいね。
耕君にいわれなくても食べますよ。
お母さん、腹ペコってなに?
お腹が空いたってことよ。
お父さん、お腹の英語は?
ボディだよ。
おなかって、腹でしょう?
そうだよ。
俺の生徒にクズなんていないんだよお!
なにそれ?
反町隆史が言いましたお。
お母さん、まれ、なんで泣いているの?
悲しいからでしょ。
蓮佛さん好きだお。
そう。
蓮佛さんの声、大好きだよ
そうなんだ
蓮佛さん、お弁当食べて泣いちゃったよ。
なんで泣いたの?
生まれて初めてお弁当作ってもらったから。蓮佛さん、泣かないでよ。
お母さん、殺されると痛いですよね?
大変よ。
ぼく殺されるの、嫌ですお。
お母さんもよ。
お父さん、どっちみちの英語は
in any caseだよ。
お母さん、どっちみちっってなに?
どちらにしても、よ。
お父さん、お日様に十書いて「早」いでしょ?
そういえばそうだね。
ゆかりさん、ばーじんろーど、歩いた?
うん、歩いたよ。
そして、赤ちゃん生んだ?
うん、生まれたよ。
バンザーイ!バンザーイ!(と両手を挙げる)
ぼく、ばんざいしましたお。
スプーンがなくなった
きのうも一本なくしている
床下に小人がいるに違いない
二本持っていったということは
楽器として使っているのだろう
きっとアイルランドから来たのだ
*アイルランド民謡で使われるスプーン二本で演奏する打楽器
高円寺のバー鳥渡で
ジントニックを
飲んだ
広瀬さんが作ってくれた
グラスを
氷で冷やして
ジンと
トニックウォーターと
ライムを搾って
浮かべた
広瀬さんの写真が壁に掛ってた
日向葵のある家
坂道から
屋根を見ていた
屋根の下でヒトは産まれた
今朝
目覚めた
目覚めたら
目の前に
カーテンがいた
滝のようだ
カーテンは光を遮る
カーテンは光を透す
ことばもそうだ
こちらにいる
あちらにいる
母は一筋の涙を流して逝った
そう
姉はいった
それも残されたことばだ
そこにいる
最近
跳ぶ
ということがない
飛び跳ねる
ということがない
ここにいて
ここというのは
新丸子だったり
浜辺の街だったり
歩いたり
泳いだり
してる
終いには小さくなって
しろい骨になる
土に
埋もれる
風に飛ぶ
海の水底に沈む
昨日
ネットワークプリントと
いうもので
新丸子のコンビニのコピー機で
詩を
プリントしてみた
それから
ユアンドアイの会に出かけた
ユアンドアイは
あなたとわたしということ
あなたとわたしの間に
詩を
置くということ
詩は
あなたとわたし
無い声のようだ
雨の
音を聴いた
目覚めたとき
雨の
音がした
もう
女は出かけていった
四谷の大学に
用事があるのだと言った
雨のなかで
金槌の音が続いている
休日に
本棚でも作っているのか
雨の朝
世界には二重の橋が架かります
コーヒーに豆乳を注いだ