安息日的光輝一一

 

Sanmu CHEN / 陳式森

 
 

在屈身之中

哀號的馬帶矛離開了格洛尼卡,
離開了夜的油麻地;
一地的哭,基礎了雨的勒痕。
這麽深,勒痕,花朵!
這麽多的祖國各自爲難……
釘子,淚珠,注射器
這麽多的花朵。
高壓水炮車清洗藍色,
詩篇越發暗淡,我
大雨滂沱。
市場的內臟開始衰腐;
糧食的日子荒凉,限聚餐桌。
落網之魚爲佛陀洗足,泥石濁流!
在屈身之中,格洛尼卡的馬瀕死。
黑前線,捲旗,
群鼓律動成我們的心跳。

鮮花已將鮮花交給了鮮花

空白空白空白空白空8月2O日21日被拘羅湖週年。首句摘自保羅 . 策蘭《安息日》未句。

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・翻訳はこちらで
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夜のシンフォニー

 

工藤冬里

 
 

何処かの奥底でウシガエルの喉の声がヴァイヴ設定されたスマホそっくりの間隔で鳴り止まず

情緒は日暮しの身体全体の振動からしか来ないのかと思っていたが

喉の声調も捨てたものではなく

と言うことは

人の声に感動することだってありうるのかもしれない

とまで考えたら

音がやまった

やまる
は俗な言い方だが

やまった

と思ったら

さらに奥底で鳴り続けている

そう書くと

エッセイみたいだが

鳴り続けている

いや

いた

過去形だ

いまはまた聴こえなくなった

代わりにバイクの音がする

あれはピザ屋の原付の音ではない

いや

盗んだバイクで〜の音でもない

秋虫の非喉音と耳鳴りも浮上してきた

カタカタいうラチェット型の玩具の
あの効果音は

モーツァルトのシンフォニーにも使われていたし
ブリューゲルかなんかの
子供の凧揚げみたいな絵に出てきていたように思うが

ここで特定しようとすると堀江敏幸さんのエッセイみたいになってしまうので

そうした探究と出会いが人生ではないということを知らしめるために

ここで再び音に戻る

相変わらずウシガエルを通奏低音に

鈴虫と

遠くの夜中の国道の

サウンドスケープが

楽譜として描画される夜更け

素晴らしいループのコンプレックスの
シンフォニーじゃありませんか

ウシガエルの喉の通奏低音が人間の機械音を呼び込んで

いま夜の地表で神と人が肘タッチしている

 

 

 

#poetry #rock musician

去りゆく夏

 

佐々木 眞

 
 

数十年に一度の
これまでに経験したことのないような
生命の危険をともなう
台風ピーターが
窓の外を
通り過ぎていった
北朝鮮の独裁者めがけて

すると突然
私の口の中に
一匹の蚊が
飛び込んできたので
私は
口を閉じて
そいつを殺そうとしている

 

 

 

リヴァーシブルなポケットの着脱

 

工藤冬里

 
 

縫い目のない編み方は輪っかからかなあ
石ころを転がして籤を引く顔たちがサバゲーとかしてそうな
近遠煙禁法の頭蓋の丘で
棒杭は立てられ
掃除婦はモップ掛けに勤しむ
全てが間違っていて毛ほどの接点もない
四次元では球を割らずに裏返すことができると言うが
裏返らなければパラダイスに一ミリの接点もない
奄美のメリスマが入り口だったが
今はゴルゴ13に見張られている
徒刑場の全員がマスクをしている
受刑者までが
マスクをしている

 

 

 

#poetry #rock musician

背中

 

松田朋春

 
 

子供の背中をみる
肩の骨が出ている
首筋がやけている
もう違う何かを見ている
ことばが遠くなる
猫の家族のように
眼をあわせなくなって
親が死に子が育ち
その先のあらすじを知っていて
いってらっしゃいという
心が逆巻いている子供の
背中をみる
なすすべもなく
いってらっしゃいといい
おかえりという
知っているものに
ひとがおきかわる
心細さが
自分にもあてはまる
それは
本当なのか

 

 

 

「 HOME 」

 

小関千恵

 
 

 

最初に
光を写した

塵や屑が埋もれている草叢に
光が差していた

塀を外し
光を庭にして
大好きな生き物と触れ合う生活
光という永遠の中で
限りあるもの同士が
美しい音を立てながら
豊かに関わる日々

そんな喜びを想像した

塀が無いと、
石が飛んでくるのだろうか
それも、生き物との関わり

人々の恐れの余波の先、
想像を超えるところで
砕かれていくものがある

石を投げる人の気持ちは分からないと思っていたけれど
きっとわたしも
石を投げていたことがある
閉じ込められた箱の見えない壁に向かって
幾度も
何を傷つけていたのかはあまり分かっていない

離れあって 浮かび上がる

フレーム
空白空0フレーム
空白空白空白00フレーム

瞳の中
瞳の中の瞳の中
瞳の中の瞳の中の瞳の中の・・・
そんな無限には
最初の瞳
自分の瞳があることを
忘れないようにしていたい

やぶれた道の
やぶれた隙間にこころを隠しながら

無関心の空へ
人に贈る以外の
高鳴りで

はじかれ

みとめあい

ひずんで
おちる

無限数のみちの ひとすじ

心の奥から生えていく

空へ
差していく

光が家だった

風を着て

光の家に
住んでいた

 

 

 

其日本及日本人

 

工藤冬里

 
 

私たちは全員外国人なので
曲は努力しなくても夢に出てくる
努力しなくても自然に外国人には成れるので
タオルをマイケルの肌のように白くする
私は街の人をフィルムカメラで順番に撮っている
「外国人」という写真集を出すのが私の夢だ
その夢に
曲は自然に出て来るのだ

 

 

 

#poetry #rock musician