突如、ギュンッと

 

辻 和人

 
 

まあるい顔をニコニコさせてるコミヤミヤ
突如、ギュンッと
左足を勢いよく蹴り上げた
足の先にあるのは
やっぱりまあるいこかずとんのニコニコ顔
あーぶない、あぶない
慌てて2人を引き離す
蹴られそうになってもずっとニコニコ
顔を見合わせるようになってきたコミヤミヤとこかずとんだ
相手の体に触れるようになってきたコミヤミヤとこかずとんだ
指にも力がついてきて
相手の服をぎっと掴んで
引っ張る
引っ張れば
肘ガクン揺れて
体傾く
傾いてニコニコ
ずり這いずり這い
寝てる相手の上を
戦車みたいにずずずっ乗り越える
見下ろす顔ニコニコ、見上げる顔ニコニコ
あーぶない、あぶない
手加減ってのを知らないからな
並んで仰向けに寝て
鳴き交わす小鳥みたいな仲だったのに
今や相手に向かって、突如
ギュンッ
挨拶
顔と顔ニコニコどっきんこ
あーぶない、あぶないぞ
手加減知らない挨拶だ
蹴って蹴られて
ニコニコだ

 

 

 

根岸交通公園

 

廿楽順治

 
 

もうだいじょうぶ
(ここにはずっとなにもおこらない)

はねられて
空に埋められた子どもらを

(わたしはみた)

老いた信号機のもと
ひかりの色を思い出そうとしているが

あおも
きいろも

くらしているだけではみることはない

わらいながら
路は急に深くまがり

空は
子どもらの
とまった呼吸でもういっぱいだ

(それを轢いた)

そのことが公園なのだ

 

 

 

2025秋的俳六首

 

Sanmu CHEN / 陳式森

 
 

又,歲月填膺
見證了一種光輝
維多利亞灣

耳廓的寂靜
察覺野豬的喘息
被戮的低吟

秋風秋雨愁
腐敗着果欄內臟
賣春油麻地

安全詞瓦解
天使徘徊本雅明
愴然伴孤星

油麻地探戈
一首詩即將結束
為落日謝幕

2025年10月21日

 
 

 

 

 

gift

 

工藤冬里

 
 

見通せないようにしてもらっている
理解できないことに感謝する
不意に立ち去るのは失礼
もう声で実現している
あ、この人も声が戻っている
誰と再会するっていうの
大木裕之に再び会うのは誰

こりゃ言ってみりゃ肉の塊
落とし込まれたモオブの窪溜まり
転がる色わだかまるただ乗り
言葉が何かも分かってないのに
太陽も月も夜もないのに
受け取ってもらえるらしいアレンジ
模すとすれば大きなオレンジ
ジレンマ抱えてConstant sorrow but
Continuous peace peace peace peace
育ててくれたナミオに感謝
期待するのはバイデンの恩赦
聞き倒したのは敗戦後のdoowop
自分より高い大きな岩の上で

 

 

 

#poetry #rock musician

家族の肖像~親子の対話 その73

 

佐々木 眞

 
 

 

2025年1月

お母さん、ぼくタチヒロシです。
こんにちは、タチヒロシさん。
タチヒロシ、タチヒロシ、タチヒロシ

お母さん、スイシンってなに?
スイシン?あ、推進ね。うまくいって前に進めること。
スイシン、スイシン、スイシン

お母さん、花盛りって、なに?
お花がいっぱいのことよ。

わたしはコーゾーさんです。
こんにちはコーゾーさん。

韓国はソウルでしょ?
そうね、ソウルね。

 

2025年2月

ケンちゃん、駅どこ?
キタノでしょう。
キタノ、キタノ、キタノ

お母さん、旅立つって、なに?
旅行に行くとか、死んでしまうとか、よ。
旅立つ、旅立つ、旅立つ。

コウ君、リンゴケーキ食べたいね。
お母さん、リンゴケーキ作ってね!
お母さん、リンゴケーキ作ってね!
お母さん、リンゴケーキ作ってね!
わかしましたあ。

 

2025年3月

ぼく、タナカミナミとサワさん大好きですお。
お母さんもよ。

またサワサンに会える?
会えるでしょう。

サワさん、「光る君」みた?
みたでしょう。