たいい りょう

 
 

長きたおやかな時を 
人は短いと感ずる
 
人は どのくらいの時を 
永遠と呼ぶのだろう

短き激しい時を
人は長いと感ずる

人は どのくらいの時を 
瞬間と呼ぶのだろう

時は 時計の中にあるのではなく  
人のこころのなかに 息づいている

今この時を生きる
そう生きる

 

 

 

いい人とかまともな人とか

 

ヒヨコブタ

 
 

精神科へコンビニのように通うことができる世の中にしたいと主治医はかつて思っていたと
そしてそんな世の中が近づいてきたといい
わたしはふとじぶんの人生をふりかえる
どうも疲れが抜けず緊張感にさいなまれて生きていた頃、それが希死念慮までになるのであれば
病院に連れて行くのが特に親というものではないか

けれども世の中でいい人、まともな人と見られてきたわたしの親族たちの大半も偏見にみちていた
きょうだいは今でもわたしを
変な病にかかっている人という
変な病だから付き合わないというのはどういうことか?
血も涙もないなと思う

じぶんだけが特別でじぶんは大丈夫という人はとても危うい
具合が良くなければ薬をのむのは一緒だろうに
彼らの思考がとても息苦しく追いかけられるように感じる

いい人やまともな人と呼ばれる人に
わたしはなりたくない
心がある人と呼ばれたい

 

 

 

dégradé

 

工藤冬里

 
 

茎があり花があった
国旗のような花
見たことがある
動画になったブロードウェイ・ブギウギだ
%で報告だと
549万人のうち210数人だから2万6千人に1人、
助けは野獣ではなく別の国から行く

菓子は食べない
正しいところに逃げる
何がいけなかったのだろう
それぞれの魅力的な特性を併せ持っていたが
男女に分けた
どちらの特質も詰まった卵のようだ

持っているぜ
持っているわ

顔を覆え
限界を弁えるほうの慎み(humilityではなくてmodesty)
控え目だけではない蛍光緑
リズムの良いフォークのヒット曲のように
森恒夫のように怯えて
曲がった地層ごと重機は持ち上げた
葉脈の赤いアルト
マットな鉄の爆弾
読み書きできるようになる
思い付きで話さないと腰が痛い
鷹の飛ぶ青白い空
柄が見たことある
白いケチャップ状に溺れている
値切り方を教える
筆ペンの声
筆圧の変化は劇的だ
塩で消毒
勝手に映画を観ている

 

 

 

#poetry #rock musician