about  およそ

鳥の声は
きこえていた

雪は溶けていた

林のなかにカタクリの花は咲いていた

およそ
前世の記憶はない

姉の
やさしい俤が空をあかく染めていた

この世の終わりを生きるしかない

この世の
果てを生きるしかない

裸になって歩いていくしかない