trash くず ごみ

 

風鈴が

ゆれて
いる

蝉たちは遠く鳴いている

日射しを浴びて緑の葉の揺れて
いる

そのヒトは
道端の草を食べたと言っていた

売られていく牛をみて泣いたと
言っていた

あれから三十年も生きたのか

捨てられて光っていた

屑たち
光っていた

 

※7月24日、たこ八郎さんが亡くなって30年が過ぎた.

 

ear 耳

 

昨日も

曽根さんと
飲んだ

神田で
三日続けて飲んでいる

雑巾がけ技法と
プラチナプリントの話をしたのか

雨が降っていた
新丸子も

雨だった

いつも
裏道を帰る

いつも

闇のなか
自販機は佇っている

白く光っている

なにも言わない
声はない

 

 

 

now 今

 

目覚めたとき
今朝

雨の音が
した

雨なのかな

もう
エアコンの音で聴こえない

これから
深夜スーパーで買った

鳥のもも肉を
入れて

スープを作って

シャワー浴びて
出かけていくんだろ

もう聴こえない

エアコンの送風音の向こうに
雨は降っている