はだかかくれんぼ

 

長田典子

 
 

あたまからかぶったおふとんは
ふたりのたいおんでみたされる

あったかくて
むしむしして

あっつい、と
つぶやいて あなたは
キッチンに水をのみにいきます

わたしは
ぱちっ、と目をあけます

あなたのいない
ベッドはさびしい

だから
かくれんぼしよう
くらやみのなかで
はだかのまんま

かけぶとんを
ひとがたに
ふくらませてから

クローゼットのかげにかくれます
くらやみのなかで
はだかのまんま
いきをひそめて まっています

くろい やみが
せぼね にそって
くつくつ あわだつから

よんでしまうのです

くろい やみが
ちぶさの あいだで
すうすう ながれおちるから

もとめてしまうのです

あなたは すぐに
わたしを見つけます

れすきゅー、します

はだかかくれんぼ
はだかかくれんぼ
まよなかの

れすきゅー、

わらって ふきだしたら
まけだよ