さらさらない

 

佐々木 眞

 
 

秋の小川が、さらさら流れ、
緑のたぬきの小池にはまって「絶望の党」。
「安倍一狂」を打倒することなんか、さらさらない。

納豆ならぬまっとうを自称する「枝豆党」が、安倍蚤糞を打倒して、
この国にまっとうな民主政権が誕生する日が来るなんて、
さらさらない。

貧しい家に生まれた息子が、大学まで行って一流企業とやらに潜り込んで、
セレヴのお嬢さんをゲットして、いわゆるひとつの超産階級の仲間入りをするなんて、
さらさらない。

生まれついての障ぐあい者が、ハンディを抱えたまま障害物競争に勝利をおさめ、
なんと、なんと、「自己責任」でちう産階級の最下位に潜り込むなんて、
そりゃあお客さん、さらさらないわなあ。

それからまた、この国の民草が立ち上がり、極右ファッショ政府を核禁止条約に参加させ、原発を即時停止し、次世代エネルギーにくるりと転換する日が来るなんて、
さらさらない。

この国のだめんず民草が、憲法第9条の絶対平和主義にいまさらのようにめざめて
急いで自衛隊を解体し、かの陰険なる日米軍事同盟をびりびり破棄する日が来るなんて、
さらさらない。さらさらないわなあ。

ましてやこの国がアジアで唯一の永世中立国になって、世界中の紛争を外交努力で解決し、
国連の一枚看板を、「非武装非暴力の世界共和国」に塗り替える日が来るなんて、
さらさらない。

秋が去って、冬が来て、また春が来て、夏が来て、
秋の小川が、さらさら行っても、
さらさらない。さらさらないわいなあ。