そこ

 

義母は
咳き込んだ

吸引のあと

喉の奥が
ぜいぜいと鳴った

苺を
薄切りにして

蜂蜜をかけて
一枚一枚食べさせた

お茶をのませた

義母は天をみた
うすく瞳を凝らした

見開いた
それで逝った

そこに行く
そこで待つ

そこは
どこなの

そこは底なの

ヒトの
底なの

ヒトはそこで待つ