微睡

 

原田淳子

 
 

 

陽が差す午後に おひる寝をした

小春日和の 日曜日の午後

木の葉をうかべて
揺らぐ遠い湖

とりこぼされた光を眺めながら
道は流された

冬は窓のむこう

きみが尻尾をふったら
12月の背中がみえた

手か足か
夢かもわからないうちに
時は扉を決定してゆく

ぼくはまだ
オリオンをみていない

 

 

 

会いに行った

 

さとう三千魚

 
 

午後に
電車に乗った

会いに
行った

店の前にいた
待っていてくれた

ビートルズが流れていた
ニック・ケイヴを聴かせてくれた

店じまいするのだという
バイクにテントを積んで新潟から北上して北海道に行ったこと
三沢の寺山修司記念館の佐々木さんに会ったこと
南相馬ではその先を断念したこと

話してくれた
話してくれたな

鯨は
いた

そこにいた

帰りの
夜風は冷たかった

ホテルが紫色に立ってた

駅前の
浜松餃子屋でビールを飲んだ

各駅停車で
帰ってきた

 

 

 

#poetry #no poetry,no life