猫いない **

 

さとう三千魚

 
 

さっき

テーブルの
下を

通っていった

白と黒の
うしろ姿を残して

いった

猫いない
もういない

 

・・・

 

** この詩は、
2024年9月20日 金曜日に、書肆「猫に縁側」にて開催された「やさしい詩のつどい」第9回で、参加された皆さんと一緒にさとうが即興で書いた詩です。

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

私鉄

 

廿楽順治

 
 

夢には
京成線しかでてこない

いくところがもう決まっているからだ
雨がふっていて

駅から
高速道路の下をくぐりぬける

さびしい商店街の奥に
食堂がある

そこでだれかと酒をのむ
「生きていたころと何もかわりない」

そう話すひとは「わたし」らしい
京成線は音がしないので

朝までのんでいても
じぶんからはけして目がさめない

「駅なんて
おれたちにあったかなあ」

その会話も
(二回目だ)
死んでいたころと何もかわらない

 

 

 

防具 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 95     mitsue さんへ

さとう三千魚

 
 

夏は
終わったの

かな

九月の空は
高いね

きみの防具
光っていたね

きみは

もくれんの
白い花が好き


言った

 
 

***memo.

2024年9月15日(日)、
松山 “Utaco Drip”にて、「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」第28回で作った95個めの即詩です。

タイトル ” 防具 ”
好きな花 ” モクレン ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

せんぷうき ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 94     mei さんへ

さとう三千魚

 
 

九月の

青空が
高かった

雲が
流れてた

乾いた
風が

吹いていた

夏には

ピンクの花が
群れ咲いていた

さるすべり

百日紅と書くよ

 
 

***memo.

2024年9月15日(日)、
松山 “Utaco Drip”にて、「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」第28回で作った94個めの即詩です。

タイトル ” せんぷうき ”
好きな花 ” サルスベリ ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life