なわとび ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! Part2 012     sakira さんへ

さとう三千魚

 
 

くるくる

まわしたね
ぴょんぴょん

跳ねたね
あなたのまえで

跳んだね

白い花のなかに
みどりの

芯を
伸ばしてる

わたし
いまも

跳ねてるよ

 

***memo.

2025年11月22日(土)、
一箱古本市の日に、
静岡市北街道「水曜文庫」で実施した、
“無一物野郎の詩、乃至 無詩!” 第44回、第2期 12個めの即詩です.

タイトル ” なわとび ”
好きな花 ” 水芭蕉 ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life;

あかし

 

廿楽順治

 
 

こういう女は石で打ち殺せ

あのひとは
身をかがめて
指で地面に何か書いておられた

「ひとりで書くのは
あかしではないだろう」

死んでしまったやつと
いつもふたりで
「おれたちは法のあかしをしている」

奴隷はすぐに
町へと出て行くだろう
だがわたしは子としてここにいるのだ

女と死んだやつはここにいるか
あなたたちは女の下からでてきたか
女に石を投げ続けたやつはいるか

どうして
この話がわからないのか

そう地面に
指で
ふしぎな不等式を書いておられる

 

 

 

最後の晩餐

 

佐々木 眞

 
 

日暮れてイエス十二弟子とともに往き、みな席に就きて食するとき言ひ給ふ。

『まことに汝らに告ぐ、我と共に食する汝らの中の一人、われを賣らん』

弟子たち憂ひて、一人一人『われなるか』と言ひ出でしに、イエス言ひ給ふ。

『十二のうちの一人にて、我と共にパンを鉢に浸す者は夫なり。
實に人の子は、己に就きて録されたる如く、逝くなり。
然れど、人の子を賣る者は、禍害なるかな。
その人は生まれざりし方よかりしものを』

――1968年改譯新約聖書「マルコ傳」第14章第17-22節

 

追記

写真は2025年11月24日まで東京都現代美術館にて開催中の「日常のコレオ」展に出品された佐々木健の油彩画《ゲバ棒、杖、もの派の現象学、または男性性のロールモデルについてのペインティング》である。