michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

猫といる **

 

さとう三千魚

 
 

今夜も
猫はいた

テーブルの
グラスの

麦茶の

匂いをかいだ
畳の上を横切って

もう
いない

猫を抱いてねむる

いない猫を抱いて
ねむる

 

・・・

 

** この詩は、
2024年7月26日 金曜日に、書肆「猫に縁側」にて開催された「やさしい詩のつどい」第7回で、参加された皆さんと一緒にさとうが即興で書いた詩です。

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

鳥渡から帰った

 

さとう三千魚

 
 

鳥渡から
帰った

もう2週間になる
帰って

なにもしなかった

鳥渡には
10日ほどいた

この10年ほどの
身のまわりの写真を壁に虫ピンでとめた

説明できるものや
説明できないものや

説明したくないものや

壁に
虫ピンで

とめた

鳥渡では
一度

詩人に会った

その人は詩人だとは言わなかった
死者の眼を持つことができたなら

とも
言わなかった

その人と
なにを話したのだったか

詩人だった
笑ってた

わたしも
笑った

鳥渡から帰って
毎朝

小川の傍を
歩いていた

たまにスマホで道ばたの草花を撮ってた

その人には

この世は
どう見えるんだろう

その人は笑ってた
その人は笑ってた

 
 

※鳥渡は、高円寺のバー「鳥渡」のこと

 

 

 

#poetry #no poetry,no life