michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

はだかかくれんぼ

 

長田典子

 
 

あたまからかぶったおふとんは
ふたりのたいおんでみたされる

あったかくて
むしむしして

あっつい、と
つぶやいて あなたは
キッチンに水をのみにいきます

わたしは
ぱちっ、と目をあけます

あなたのいない
ベッドはさびしい

だから
かくれんぼしよう
くらやみのなかで
はだかのまんま

かけぶとんを
ひとがたに
ふくらませてから

クローゼットのかげにかくれます
くらやみのなかで
はだかのまんま
いきをひそめて まっています

くろい やみが
せぼね にそって
くつくつ あわだつから

よんでしまうのです

くろい やみが
ちぶさの あいだで
すうすう ながれおちるから

もとめてしまうのです

あなたは すぐに
わたしを見つけます

れすきゅー、します

はだかかくれんぼ
はだかかくれんぼ
まよなかの

れすきゅー、

わらって ふきだしたら
まけだよ