michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

おりがみ

 

長田典子

 

 

ほしはひとりで光っています
ほしはひとりで光っています

このはずくが ばたばたとんでいきます
よるのそらを
やまおり
たにおり
もりのすみっこを
さんかくおり
さんかくおり

このはずくのゆびは ほそくてながい
やまおり
たにおり
さんかくおり
よるの
ぐんじょうのおりがみが
だんだんだんだん あたたかくなっていきます

このはずくは いきをはきます
うすくそおっと
おりがみにふきかけます
やまおり
たにおり
さんかくおり
ぐんじょうのよるのおりがみに
もりのにおいがただよいます

やまおり
たにおり
さんかくおり
さんかくおり

くすだまができました

あたたかくて
みどりのはっぱのにおいがします

ほしはひとりで光っています
ほしはひとりで光っています

ほしは
ほそくてながいこのはずくのゆびさきが
だいすきです
みどりのはっぱのにおいが
だいすきです

このはずくのゆびのぬくもりは
ときどき
ひやっと
ほしのちゅうしんを
またたかせます