michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

sad 悲しい

 

今朝
電車で

シフの
モーツァルトの

ピアノ曲を
聴いた

楽興の時だったか

なぜ
モーツァルトは

風が旋回するピアノ曲を作り

ヒトは
聴くのか

満員の通勤電車で
揺られて

聴いた

車窓の向こうに
景色は流れた

悲しい
わけではなかった

 

 

example 例

 

春は
過ぎる

春には

過ぎるもの
たちが

いる

風は過ぎた
花も

友も過ぎた
母たちも過ぎていった

たとえば
世界は

過ぎ去るものと
包むものでできている

ひとつ

泪を流して逝った
ことばは無かった

花々の中の蝋の

母の
白い手に触れた