広瀬 勉
#photograph #photographer #concrete block wall
昼前に
銀行の
キャッシュコーナーで
現金を下ろした
それから
帰って
いくつか
浜風文庫を更新していた
辻さんの赤ちゃんの詩と
広瀬さんのブロック塀の写真を
公開した
午後に
海を
見に行く
クルマで行く
椅子を
すこし倒して
海を見てた
ポットのコーヒーを飲んだ
西の山がいた
灰色の空がいた
この空に
ドローンはいない
砲弾も
機銃掃射も
ない
ミサイルも飛んでこない
鳩たちが
いた
海は
昨日の雨で濁っていた
波立って
いた
午後の海を見て帰ってきた
#poetry #no poetry,no life
茎があり花があった
国旗のような花
見たことがある
動画になったブロードウェイ・ブギウギだ
%で報告だと
549万人のうち210数人だから2万6千人に1人、
助けは野獣ではなく別の国から行く
菓子は食べない
正しいところに逃げる
何がいけなかったのだろう
それぞれの魅力的な特性を併せ持っていたが
男女に分けた
どちらの特質も詰まった卵のようだ
持っているぜ
持っているわ
顔を覆え
限界を弁えるほうの慎み(humilityではなくてmodesty)
控え目だけではない蛍光緑
リズムの良いフォークのヒット曲のように
森恒夫のように怯えて
曲がった地層ごと重機は持ち上げた
葉脈の赤いアルト
マットな鉄の爆弾
読み書きできるようになる
思い付きで話さないと腰が痛い
鷹の飛ぶ青白い空
柄が見たことある
白いケチャップ状に溺れている
値切り方を教える
筆ペンの声
筆圧の変化は劇的だ
塩で消毒
勝手に映画を観ている
#poetry #rock musician
ころっ
できた
ころっ
またできた
右肩浮いて
まあるいまあるく
ころっ
まあるい頭初めて持ち上がった
初めての
頭を上げた姿勢だ
きょろきょろ
周りを見渡す
でも真正面にいるぼくを見てない
ベビーサークルのシーツに落ちた小さな埃
ころっと発見
ガラス窓の外
雑草ぼうぼうのお庭のシダのそよぎ
ころっと発見
まだぼくの方見ないな
頭をまあるく横に動かして
上に伸びてくスケルトン階段とんとんとん
ころっと発見
あっとお隣過ぎて気づかなかった
仰向けで口ぽかんしてコミヤミヤを見上げてる
こかずとんのまあるい顔
ころっと発見
そしてようやく
真正面にいるぼくを発見
まあるいまあるく
見開いた目が
見上げることしかできなかったぼくの姿を
真正面から見ている
見えているんじゃなくて
見ている
ああ、そういうことなんだ
ぼくもコミヤミヤのまあるいまあるくな顔を
「見ている」んだな
顔起こした同士のコミヤミヤとぼく
右肩からころっと
発見
また発見

20221225-DSC_5946-Edit
Nikon D810, Nikon AF-S NIKKOR 24-120mm F4G ED VR
写真は見ているときにだけこちこちと時を刻む。
未来へと進むのでもなく過去へと進むのでもなく、
いま現在・この時とでもいうべきものですら無い。
それでもなおこのタブローを見ているあいだだけ、
なにものかが、いま・ここに・ある。
意識は物そのものの容れものではない。
意識は現象のスクリーンでは無い。
見る意志のないところに像は結ばない。
見る意志のないところに意識は現れない。
見る意志のないところに時間は現れない。
時間は意識そのものなのだ。
写真とはそのようなことを指し示すタブローである。
Masayuki Kano