広瀬 勉
#photograph #photographer #concrete block wall
―女たらしって、なに?
だらしないひとのことよ。(「ある家族の会話」)
わいらあ どうせ だらしないひと
おぬしも さいごは だらしないひと
女たらしが おるように
男たらしも わんさと おるがな
ときにそこいく お客さん
よってらっしゃい みてらっしゃい
この世で いちばんめか 2番目に大事なこと
ただで 教えて しんぜよう
あんさんに どうしようもなく 好きな人が 出来
その人と やりたいと 思ったら
すかさず それを やることだ
抜く手も みせずに やることだ
パッパラパーと 脱ぎ捨てて
ペロペロペーと 舐め回し
グチュグチュグチューと 口吸うて
ズビズビズバーっと 突き入れて
アレアレアレーと 叫んだら
グルグルグルンと 捏ねまわし
一念発起 無念無想
一心不乱 一気通貫
四の 五の 言わず
二人揃って 成仏するんだ
よってらっしゃい みてらっしゃい
耳をほじって お聞きなさい
お二人さんも よござんすか
あたしは 二度は 申しません
好きで やりたく なったなら
ここを 先途と やることだ
これぞ この世の 置き土産
死に物狂いで やりきる ことよ
フランス、アルルでのフォトフェスティバルも終わってマルセイユに移動
アルルの駅は旧式で、向かいのプラットフォームへ線路を潜らないといけない
スーツケースが重いがエレベーターもエスカレーターもない
炎天下のプラットホームに20分遅れで列車はやってきた
ヨーロッパのホームは低いので荷物を抱え上げるのが大変
車内はクーラーが効いていてやっと汗が引いたと思った頃
片田舎の駅に停車したままいつまでも発車しない
そのうちエアコンが止まり送風も止まった、窓は開かない
ちなみにこの時の気温は37度
客は車外に出て車体の陰でタバコを吸っている
しばらくして車掌がもうこの列車は動かないと言った
重い荷物を下ろして駅の外へ出るがどうしようもない
給水のためのペットボトルが運ばれてきた
駅のトイレはひどい状態らしく誰もが扉を開けては諦めた顔をしてすぐに閉める
車掌からの指示があり、多くの人は反対方面のホームからアルルへ引き返して行った
僕らは駅前に一軒だけある食堂でビールを飲みながら呼んでもらったタクシーを待った
翌朝、恐ろしい痛さでベッドから起きれなかった
はじめてのギックリ腰だった
それが7月11日の朝のこと
昨日帰国したがまだ痛い
痛い
2023年7月18日 東京中野の自宅にて
草が昨日、獣の背のように揺れ
撫でてみようとすると
風は揺れ、揺れもどり
緑の皮膚になる
翡翠竜の背中が
ああだった
羊歯の汁をしきりに啜っていた
水面へと続く草陰に何匹も潜む
草波の揺れ具合が違うからわかる
数えきれない程の数だ
あまりに遠いと近くに感じる
身近というのではない親しみ
抱え込まず
風が通る
風が揺らす
曼珠沙華の咲いた辺りに
今日は忘れ草が
一斉に赤橙している
まさかそんなことはあるまい
全ての彼岸は同一である
全ての過去は現在である
地上だろう
ベランダこそ
地上だろう
乾いている
なにも
置かない
洗濯物が風に揺れていた
いつまでも
風は
吹いた
そのひとは佇つだろう
ベランダに佇つだろう
佇む
あじさいだった
青い
***memo.
2023年7月17日(月)、自宅にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った47個めの詩です。
タイトル ”ベランダ”
好きな花 ”あじさい(青)”
#poetry #no poetry,no life
7.12
柿の種の形をした鳩尾に血液があつまり
浮き上がる暗いニュースは腹の上方を漂う
7.14
夏の夾竹桃の黄色い病葉はとても綺麗である。こういうものでも良いのだと思わせる刀のような力がある。
石垣の隙間から覗く
Peek through the gaps in the stone wall
息ができない
詩より酸素がない
だからdisりも聞こえない
酸素は作れない
原因と結果を共に箱に詰めて
石垣の割れ目に滑り込ませる
割れ目にはヘビがいるだろう
可愛い眼をした、、
ヘビは友達だ
唯一の、、
字が綺麗ね
そのまま本になりそう
いろいろ考えた
僕もいろいろ考えた
裏のことや表のこと
でもどうやら
問題はアダムの縫い目にあるらしい
蟻の門を渡る舟人かぢをたえ
あと一歩で完成という時に
ラフなクロスステッチで
過程のみを見せる表現方法に窓を遺し
rear gardenのwaste landに風を通した
未踏のハリネズミの裏庭に
日本と似た植生だった
地球だからね
今日も海に行った
水平線は曲がっていく
ここも南極なのだ
舵をなくした舟が
蛇をなくした割れ目から
外を見ている
ゆくへも知らぬO2の道かな
7.16
今年のかなかなの歌い始めがFで例年より4度ばかり低い
疲れて生まれてきたのか
生まれてすぐに疲れたのか
全てにおいて紙切れとなった世界の価値のなさをこくんこくんと噛み締めてコロナの喉に無理に水を通そうとする大見得なのか
芸能に絶望して選び取ったジェンダーの最小公倍数なのか
#poetry #rock musician