michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

散歩

 

小関千恵

 
 

 

一緒に散歩をしていても、
あなたとわたしが見ている美しさは、きっと同じじゃないね

その見えない差異のあいだを、鳥は光りながら飛んでゆく

わけのわからない世界に平然と抱かれながら、
わたしたちは真裸で岸に立つ

水を解き、風を待ち、
こだわらない翼を広げて

見えない差異のあいだ
光りながら飛ぶ鳥を見て、
きみは横顔で笑っている

わたしたちのこころはそれぞれに揺れ、
それぞれに、天翔けてゆく

 
 

 

 

 

工藤冬里のボックスCDを聴いてる

 

さとう三千魚

 
 

詩が
書けなかった

書けたのかもしれない

けど
昨日

書かなかった

昼前
仕事に

出かけていった

車で
出かけていった

最近
工藤冬里のボックスCDを聴いてる

“good man 1984-6″を

聴いている
わたしがいる

80年代の

なにも
できなかった

わたしがいた

90年代には
ススムヨコタを聴いた

そこに
もうひとり

いた

ススムヨコタの羽は千切れていた

虫に
なる

虫は

呼吸する
這ってゆく

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

自分を信じない勇気

 

工藤冬里

 

5月31日―6月7日

5月31日

単に音楽や人生に「向き合わないこと」から始めて、初めて到達する島があります。そこには学校も警察もありません。

音楽の敵味方はかつては観念的・抽象的でしたが、最後にそれは可視化されようとしています。メジャーの人たちは芸能界に於ける自分達のプロフィールを、恥ずかしくてもう書けなくなるからです。

6月1日
spaceでピアノが他のspeakerに聞こえなかった理由が分かりました。iPhoneから出力してアンプに繋いだ時点でマイク機能が併立しなくなったのです。今度はアンプに繋がずにマイクで拾ってみようと思います。

マルトノ音頭
https://youtu.be/nrYgm5MML58
ホタルにちかいんじゃないか

一拍目をガンガン叩くのは誰のためかというと聞いている人のためではなくて自分の演奏上の都合のためなんですよね、やめたほうがいい、それはジャズじゃない。一拍目から唄い出さないのはそのためなんですよね。

手指から僧帽筋を緩めると第一頚椎の穴の中の神経が圧迫から開放されます

日付けを間違えていて仕事じゃなかったので久万に三好さんを見に行った







ワーストノイズのときこの見本Tを着てジュネと写ってるチラシがあった

今見ると手書きぽい
写真に書き足したのかもしれない

熊笹を少し採って帰った

蕎麦の第一弾を刈って干した

レンジに入れて半分くらいに縮ませた固い竹輪

他にも新聞紙に書かれた絵が古道具屋に大量にあったらしい。坦三さんは迷い蛍みたいな人だった。

20日辺りにウタコで雪辱spaceマヘルをやろうと思っているのだが野本君に連絡が取れない

晴れてたんだから座らせてくれよ

6月2日
ハンナはライバルワイフであるペニンナと同じ屋根の下に居た
途方もないストレスを抱えたまま

じゃあ胡椒と塩の二択だったら?〇〇星人とか言ってるのはチンピラの天使のことだよ
たけしが西田にうっせえチンピラて言うでしょ
したら西田がチ、チ、チ、チ(ンビラ、!?)て言うでしょ
で最後は両方死ぬっていうね

カラムシ

葉の裏が白い
煮て繊維を取る
黒いトンボとか飛んでそうな暗い林の中にいて
でかい
悲劇がはっきりしている

命名
「きっぱりした悲劇」
Google lensて便利ね

アレチノギク
キク科というひとつの執拗な強迫
直立する柔らかさ
命名「soft abuse」

6月3日
空飛ぶベッドで回ってるとでも思ってるの

CGNN news
BBCG news
from Switzerland

汚されたものリストを数え上げている
例えばグローバリズムによる「国家の廃絶(マルクス・エンゲルス)」の理念
ただ、それだけでは平面的である
二つの、長さの違う収穫の束が置かれなければならない
敵側の穂は、常に、こちら側より短い。
後手に回って反応しているだけだからである

夢が形にされ、汚されていくのが分かる。
例えば地下
例えば斑猫
例えば移動

敵には可視化の能力がある
CGNN
BBCG
ホログラムに「向き合う」という垂訓は無意味だ

強い方が勝つ
言葉の、強い方が勝つんだ
川を渡る前に思い出すべきだ
それが多摩川であっても
川を渡る前に思い出すべきだ
川底に12個の石を置くべきだ

川を渡る前夜に

当時ラジオで放送されたのを思い出した
テープを使うのが流行った
vanityにコーイチローが持って行った行きの電車の音のやつとか、ミリバールの頃の気象情報とか算盤教室のラジオとか
https://youtu.be/bdHe4c10smY

https://youtu.be/smRKvJKd2fY

ヒカゲイノコヅチ

カラムシよりさらに奥まった日陰にいる
葉の裏は白くない
ので命名
psychedelic underground

雨上がりの稜線がつんつん



ホタルは量子的だ
眺めると光り出す

6月4日

子供棚の偉人シリーズが場所を取るのでキュリー夫人、エジソン、マザーテレサを外した。ココシャネル、チャップリン、ゲバラ、ジョンレノンはまだある。

夢だったかもしれないがおいしい水と漬物をくれ、と言ってモテた信長のくだりがすき
水漬けじゃ消化に悪いけど死ぬ前ならいいのか
どうせ死ぬなら

梅干しも梅酒も漬け終え今朝は雨歴女のように食べる一食

https://twitter.com/_YukioHakagawa/status/1400577934742548481?s=20

WashingtonDCG
ABCG
オロナミンCG
CGミラーメン
CGフォス神話
CGん
IOCG
CGOVID-19
5CG
PANDEMICG
@icgloud.com

オーレンてスペイン語では祈れ、オランダ語では耳
そういう名前の人なんで皆そういうクッションを持って接しているんだろうな
https://www.mixcloud.com/camp_fr/notes-in-dialogue-31st-may-2021/

20日野本君連絡取れたのでやります
タイトルは雪辱spaceシンマヘル
3時@ウタコ
帰りにJR構内で蕎麦食べたけど出汁がうどんと同じなんで立ち食い食べた気がしない

ホタルまだいらっしゃる

6月5日


時々口を突いて出る「死にたい!」をキャッチ出来ればリアルな素材になるのだがタイミングが合うわけはない。24時間録音しっ放しにしていれば録れるかもしれないが。ポートレイトもそんな感じ。殺される間際もそんなこと思ってそう。

中身の詰まったドングリみたいなものと向き合うにはもう時間がない
もうこちら側の中身の問題じゃないんだ
頭頂を剃ってカッパの受け皿にしておけ
交流の力に近づくな
ただ立っているだけでいい

あゝそれは直立するキク科のようだ

アキノノゲシ

6月6日
ワクチン SARSマスク 離れ5Gおりん
proverbs22:3
The shrewd one sees the danger and conceals himself, But the inexperienced keep right on going and suffer the consequences.
28:14
Happy is the man who is always on guard, But whoever hardens his heart will fall into calamity.


ムラサキツユクサ属
オオムラサキツユクサ

根が横に蔓延るので嫌われるが葉を細くすることで
ジュリアンソレルは

自分を信じない勇気
百日紅と金木犀が並んで植えられている
木肌は対照的だ
180度違うと言ってもいい
身長は4メートル近くあった
自分を信じないことができたので
指で携帯画面に描く線が3種類しかない
顔全体から黒い滝
みのしろ菌としてのねがいがいうえお
どの岡より高い岡山
最後の日々に定型と諧謔は
階級を偽ろうとするオオムラサキツユクサの葉の細さ
投獄されている
ダーツを放る
憎しみの的
針だけのイ草
あうえお
死者を生き返らせる
頼り続ける
蛤色の災害
どんなときもたすけつづける
家の強度が試されている
嘘の根源に対するための武具を与えられる
ベルトを巻くのはズボンが落ちるから
腰履きならウエストの変化に影響されないね
防弾チョッキで心臓は護る
重たいという理由で外すマスク
外して生きるのをやめてしまう
雪駄を履いて喧嘩できるんだ
ジュラルミンの盾で囲まれてボコられたことある
その後ステンレスの笛を吹いた
兜の中で血を流すか泣くか
猪を捌くのに3種類使う
峰打ちで倒す悪霊
一人で戦ってはいけない
あたたたたたたた
この箱はサンドイッチボックスに使えるね
立派なアームドフロント
客室乗務員はドアモードをディスアームド・ポジションに変更してください
親しみやすいタヌキ
民主勢力に武器を供給する濁手
外すな、ではなくleave it on! という感じで
旦那が癌で死にそう



アキノノゲシ

命名
the soft sword of the spirit

6月7日
マンソンがトレンドに
コロナに関して左が右を取ろうとして右をさらに場外に押しやろうとしている形
そして左の空白を埋める思想がない、というのがジジェクの戯け
きみが黄身なのに黄身は中身を求めて核を空にする
詩は黄道を西へ

La sabiduría de este mundo es necedad

 

 

 

#poetry #rock musician

体験してきたのでわかる

 

駿河昌樹

 
 

空白空白すてきなことはみんないつか終わるもの
空白空白空白空白空白村上春樹『スプートニクの恋人』

 

こうして生きてるだろ?
あしたもあさっても
だいたいはこんな感じで
続いていくと思うだろ?
けれどこういうのが
ある時ぜんぶ終わるのを
ぼくはよく知っている
なんども引越しをしたので
ある日ほんとうに
ぜんぶ変わってしまうのを
体験してきたのでわかる
人が死んでその人の家を
かわりに整理したこともあって
終わるとはどういうことか
体験してきたのでわかる
悪くなかった家族なのに
ある時爆発のように壊れて
ちりぢりになって二度と
戻らなくなってしまうのも
体験してきたのでわかる
大事にしてきたものが
薄いガラス細工のように
容易に砕け散って二度と
戻らなくなってしまうのを
体験してきたのでわかる
だから大事なものは
二度と持ちたくなくなるのも
体験してきたのでわかる
みんな死んでしまえばいいのに
という綾波レイのことばが
じぶんの内奥のことばとして
ずっと共鳴し続けていくのも
体験してきたのでわかる

 

 

 

改訂版・無銭飲食

 

今井義行

 
 

バスロータリーの まわりに たくさんある 唐揚げ屋さんの 或る1軒で 
わたしは 唐揚げ定食を 食べた
衣は パリッと していて 鶏肉は とても 柔らかく おいしい 唐揚げ定食だった

店を 出て しばらく 経ってから わたしは 気が ついた・・・
(あれっ?
わたしは お金を 払ったっけ?)

店員さんは 追いかけて こなかったし
わたしは きっと お金を 払ったんだろう なあ・・・

・・・・・・・・・・・・・・

それなのに わたしは 駅前で タクシーを 拾って 「小松川警察署まで 
お願いします」と ドライバーに 頼んで いたのだった
駅前には 交番が あるわけだし わたしは 軽く しらばっくれて しれっとして 
いれば よかった はずなのに なぜだ・・・?

・・・・・・・・・・・・・・

タクシーに 長いあいだ 乗っては みたものの どうしたことか 
わたしは 小松川警察署の 入り口に たどりついて しまっている ようだ
それは どうして なのだろうか?

そう か・・・ わたしは 平井の 或る 唐揚げ屋さんで 「無銭飲食」を したのでは なかった だろうか・・・

お金を払った 記憶も なければ 罪の意識も まったく 無い 
けれども わたしは タクシー乗り場で ドライバーに 「小松川警察署まで 
お願いします」と 言って いた ような 気が する・・・

── それとも 今朝は カボチャを 煮ていたのだった だろうか・・・?

わたしは 階段を 登って 曖昧模糊とした 状態で 小松川警察署の 
インターホンを 押している

「どうされましたか・・・?」と 返事が 返ってきた

「あの・・・ わたし 無銭飲食を して しまった ようなんです・・・」

「そうなのですか? では 中の 待合室に 入ってください・・・」

わたしが 待合室で 座っていると アルコール病棟で 一緒に 入院していた 全盲の 初老の おとこが 「やっていない! やっていない!」と さわいでいるのを 見た・・・ 万引きでも したか?

彼は 生活保護を 受けながら 1人で 暮らして いたのだった・・・

こんな ところで また 出遭ってしまう ことに なるなんて なあ・・・ 
それにしても キツイことは いろいろ あるだろうになあ・・・

いや・・・ もしかしたら 彼は 案外 しあわせに 暮らして いたのでは ないか・・・? それを 阻むものが ただ いるという だけなのでは ないかな?

(ただネ それが 警察官の しごと なんだろう けど ネ・・・)

わたしが 待合室に 座って いると 1人の 警察官が 近づいてきた 
「無銭飲食を したんだってね?」「はい そうらしいんです・・・ でも 本当に 
やったか どうか わからないん です・・・」

何人かの 警察官が 近づいて きた 「それは 悪い ことでは ないのか?」
「悪い ことだと 思います でも 本当に やったのか どうか 
どうしても わからないん です・・・」
「・・・痴呆かなあ? 帰りの 交通費は 持っているのか?」「持っていません」
「それじゃあ パトカーで 送って いくしか ないじゃないか あのね 
パトカーは タクシーじゃ ないんだ よ!」

── それとも 今朝は カボチャを 煮ていたのだった だろうか・・・?

パトカーに 乗って わたしは 窓のそとを ながめていた 
もう 日が くれかけてきている ようだ・・・

そうしたら わたしの 隣りに 座っていた わたしと同じ 
50歳台くらいの 警察官が わたしに 話しかけてきた
「わたしは ながいと 言います こういう ことって よく あるんです よ 
気落ちしないで しっかりと 暮らして いってください ね・・・」

(ああ こういう ひとも いるもの なんだなあ・・・)

翌朝 わたしが ベッドに 横たわって いると 携帯電話の 着信音が 鳴った

(・・・もしかして ながい さん?)

「こちら 小松川健康サポートセンターの
保健師の のざきと 申します いま お電話していても いいですか?」「はい」

小松川健康サポートセンターと いうのは 保健所の 出張所の ような ところだ・・・
わたしは 生活に 困窮していて そこに
何度か 訪ねて いった ような 記憶が ある・・・ けれども 
「これから 会議に はいりますから」と 言われて 
すぐに 門前払いを 食らって しまった ような 気がする・・・

── 或いは カボチャが 煮崩れないように こころを 砕いていたの だったか・・・? 

「小松川警察署から 連絡が あって あなたが 無銭飲食を したらしい との ことでした・・・ 詳しい お話を お聴きしたいので 明日にでも ご自宅に 伺いたいと 思いますが ご在宅されて いますか・・・?」「はい・・・」

(警察署が 動くと すぐに 行政が うごく もの なんだなあ・・・)

翌朝 ドアを ノックする 音がして 開けてみると 3人の 女性が 立っていた

「昨日 お電話を 差し上げた 小松川健康サポートセンターの 
のざきと 申しあげます」
「どうぞ お上がりください・・・」

わたしたちは ちいさな テーブルを はさんで 向かいあった ようだ

「早速ですが 唐揚げ屋さんで 無銭飲食を したのか していないのか 
わからなく なったそうで・・・?」
「はい・・・ そうなんです」
「よく そういうことは あるんですか?」

「いままでは 現実と そうでない側の 区別が わりあい はっきり ついていた 
ように 思うのですが・・・ 最近になって 現実と そうでない側が ないまぜに 
なってきて わけが わからなく なって しまうような ことが 増えてきた 
ような 気がするんです・・・」

── 或いは カボチャが 煮崩れないように こころを 砕いていたの だったか・・・? 

「そうなんですね・・・ もう ご心配なさらないでください これからは わたしたちがサポートして いきますから こちらに いるのが 訪問看護ステーションの 
ほうじょうさん こちらに いるのが ヘルパーさんを 派遣する 会社の よしださんです それぞれ 週に 2回 訪問させて いただく ことに なります 
よろしいですか・・・?」
「はい・・・ ありがとうございます」
「それでは この 書類に 署名と 印鑑を お願いします」

── それとも 今朝は カボチャを 煮ていたのだった だろうか・・・?

(これで わたしの 暮らしは すこしは らくに なって いくのかな・・・)と 
わたしは どことなく うれしく なって いるようだ・・・

── 或いは カボチャが 煮崩れないように こころを 砕いていたの 
だったろうか・・・? 

わたしは ちいさな テーブルを はなれて たちあがって いた ようだ

「どうされましたか・・・?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ちょっと 待っていて ください」
そうして わたしは 台所に 向かった ようだ・・・

(あれ・・・ ガスコンロに 火が ついていない あれ おおきな 鍋も
置かれていない・・・ いったい どうしたこと なのだろうか・・・?)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(わたしは いま どうして ここに いて
なにを して いるのだろうか・・・・・?)

・・・わたしは じぶんの こころの なかが もう どうにも
わからなく なって きて いる ようだ・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そのとき・・・ 警察署の ながいさんの 声が はっきりと 
聞こえて きた!

「だいじょうぶ だよ!」

そうか わたしは きっと しあわせに なれる 
はずだ・・・!