広瀬 勉
#photograph #photographer #concrete block wall
今朝も
女と
スーパーに行った
キャベツと
人参と
ブロッコリーと
秋刀魚と
明太子と
あんパンを買った
ノンアルビールも
買った
女がレジに行く間に
スーパーの花屋に行く
いつも
そうする
そこに
花たちは売られている
売れ残った
夕霧草の
鉢に
ヤブタビラコの花が咲いている
ミモザの
花芽も
膨らんでいた
それで
帰って
家の玄関で
ハグロトンボを見た
ふわりと
飛んできた
午後
電話の後で
浜辺にクルマで行ってみた
クルマでは
チチ松村の”イスにもたれて”を聴いてた
波が高かった
大風が近くにいるんだ
女のコたちと男のコたちが
波打ち際で
キャーキャー叫んでいる
クルマのバックドアから
イスを出して
座ると
鳩が来てくれる
餌は持たないが
鳩が来てくれる
鳩は
すぐに
歩いて
いった
浜辺には
タコさんがいた
ランニングシャツを着て笑ってる
浜辺には
波が寄せている
波は寄せている
#poetry #no poetry,no life
女が
家に
いる
このところ
いる
昼過ぎに
比呂美さんの若い頃の「カノコ殺し」の朗読を聴いた
野々歩さんがvimeoに上げてくれたのだ
痛かった
午後に
女とデパートに行った
デパートの8階で美味いもの市があるのだという
女は
わたしに
米沢の老舗牛めしと
他の店の搾菜とモツ煮を買ってくれた
それで
ひとり帰ってきた
女は友だちと食事するのだという
帰って
夕方に
小川の傍を歩いてきた
土手に紅い彼岸花が朽ちていた
赤黒く花は腐っていた
小川の水面を見ていた
水面に空が映っていた
空を見て
歩いた
灰色のまるい雲が空に浮かんでいた
比呂美さんの朗読を聴いて痛かった
ガザの地で人々が虫けらのように殺されている
どうだろう
言葉はどうだろう
言葉はどうだろう
痛かった
紅い花が腐っていた
#poetry #no poetry,no life