広瀬 勉
#photograph #photographer #concrete block wall
死という名の列車に乗って
はるか はるか彼方
何億光年の星を旅する
ワインボトルは
わたしのこころのように
空っぽになってしまったけど
愛する人との思い出が
そこには 詰まっている
黄色い三角錐の形をした流雲が
列車の窓を叩いたとき
これは 亡者たちの記憶の欠片だと感じた
わたしは 欠片に 手を伸ばしたが
ふれると とたんに 水泡のように
消えてしまった
その音は 耳を砕くような烈しい音で
わたしは 一瞬 音を見失った
千曲では
根石さんと
戸倉の温泉に入り
近所の居酒屋の
きのこ鍋で飲んだのだったか
千曲から
帰って
何日か
経った
何日か
経って
何をやったのか
覚えていない
海は見ただろう
今日も
午後に
海浜公園から海を見ていた
モコは
居間のソファーに眠っていた
根石さんは
千曲川の流れを見て
詩は
一瞬だよな
そういった
詩は
一瞬でも
まだ生きてるから
書こうと思います
そう
わたし
いった
海浜公園では風が吹いていた
海の向こうに
半島が青く横たわっていた
半島の上に白い雲がふたつ浮かんでいた
#poetry #no poetry,no life
縫いぐるみの尻尾のニ線の切り結ぶ哺乳類の目付きに動く大皿小皿
複合的な大小のからくりが組み込まれた洗濯機のような構造を考えていると嘔吐せざるを得ない
歴史を定点で観測する百葉箱的な設え
アレウトAleut
火によって明らかになる
焼いてみたら分かる
土台があるのに焼け落ちた
弱い部分を補強
土は燃えない
雲を描く
土台の上に建てたものが燃えずに残るなら
ひと言の土壁
ひと言の土が塗られて
燃え残れば
雲を描く
雲を描くことを考えた
辛抱してくれていると思うと安心する
鳥の視界に 頭蓋の中を 置き換えて
風が強くて寒い
辛抱強さは過渡的な側面として強調されているのではない
それは元々全体の中に含まれていたのだ
風が少し冷た過ぎる
クラフトフェアで辛抱し
アートフェアには辛抱しない
農家の人はコントロールできないことがある限り辛抱する
待っている間 優先順位を守ると 辛抱が勝ってくることがある
待っている間 畑仕事よりも優先すると 辛抱が優ってくることがある
待っている間待つことよりも辛抱を優先させる
雲を描こうとしている
筆は使えない
ターナーとか絵筆だろうけど
滲ませるといいのかもしれない
白は輪郭がはっきりしている
鳥は相変わらず電線に止まっている
鳥の脳内に置き換えることは忘れていた
鳥は雲を見ている
風が 寒い
漫画のような雲は描きたくない
字体が空に浮いている
柱とポーチはローマを排したことによってさびしくなっている
彫り物のひとつもなくて末世かな
オレンジの酸化焼成の屋根の一帯
この無装飾も辛抱なのか
辛抱されている時間
すぐにキレない
あ、鳥はいない
それぞれが負っている
メタモルフォース
個人的に体験を通して当て嵌めることを待つしかない
待っている間は
チョッキを着て辛抱
疑わなかった
クラフトフェアはもう寒いだろう
試飲の紅茶を一杯貰い
辛抱は冥王星のように遠くて近い
もっと穏やかで幸せな気持ちになれるし、もっと健康になれる
自分では無理
雲
引け目からからくる辛抱と雲との違い
#poetry #rock musician