松田朋春
猫は美しい
働かないから
天と地が大きく揺れ
焼けた匂いに覆われても
破滅の行列が行き過ぎても
もう動けない人がいても
それが私でも
生きているだけで
猫は美しい
猫は美しい
働かないから
天と地が大きく揺れ
焼けた匂いに覆われても
破滅の行列が行き過ぎても
もう動けない人がいても
それが私でも
生きているだけで
猫は美しい
皆見事に間違えている
調子の良い鍛冶屋
自分自身でさえ信用ならねえ
調子の良い鍛冶屋
てめえの命と引き換えに
調子の良い鍛冶屋
無駄だ
調子の良い鍛冶屋
#poetry #rock musician
recently
with anyone
I do not talk
with the woman
with moco
I do not talk
with the right ear
only the treble echoes twice
so
don’t listen to music
don’t watch tv
yesterday
Albert Ayler
I received a CD called “GOIN’ HOME”
be quiet
listened
I think he was a kind man
・
The door opened of itself *
ここのところ
誰とも
話さない
女とも
モコとも
話さない
右耳で
高音だけが二重に反響する
だから
音楽を聞かない
TVをみない
昨日
アルバート・アイラーの
“GOIN’ HOME”というCDが届いた
静かに
鳴らしてみた
彼は優しい男だったのだと思います
・
戸はひとりでに開いた *
* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life
目を屡叩せて白人のインドはヒンド
易経の越境
死と契約を結び墓と協定を交わした
鮫の激流が通り過ぎる時も元の森の湿原までは来ない
月六ペンス副はうそを避難所とし偽りの中に身を隠したので
悪阻の原に試された石を植える
百十の王の綱を張りここで一句
正しさの水平器を置く頻度
雹が偽りの避難所を一掃し水が分離派建築を押し流す
インドアヒンディーシャーマンの死との契約は解消され墓との協定は無効になる
下口の鮭の代わりに鮫の激流が通り過ぎる時押しつぶされる墓川の
一度閉じた眼は開くことはなかった
家族を守る大義など下流に流され
石を剥がすと元森のお爺さんが饐えた菊のようになって
白くポキポキしていた
齶田の乳頭温泉郷で
死んだ人に再会する
ミシンの影
正しさの水平器を置く頻度
#poetry #rock musician
停滞そのものとなって
人生
などという
大それた巨視を
すっかり放棄してしまった人が
きっと
はじめて
詩のようななにかを
書き止められるのかもしれないと
思っている
いつも
思いながら
ない池の
ほとりにたたずんで
見ている
池でない
ものを
recently
without going out
in the living room
playing with moco
reading a book on the sofa
I’m doing
the woman
she was there this week
she says she will go to work next week
also
I will live with moco
to a distant friend
I’m going to write a letter
・
There is a post office close by *
ここのところ
外に出ることも
なく
居間で
モコと遊んだり
ソファーで本を読んだり
してる
女は
今週いてくれたが
来週は仕事を行くといっている
また
モコと
ふたり暮らしになる
遠い友人に
手紙を書こうかな
・
すぐ近くに郵便局がある *
* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life
起伏の中に嵌め込まれた白の像が輝き
風景は初期の油絵のように塗られている
詣でる人らの中のペパーミントのジャンパーが
ザクロの川を渡る
机が鋭角に描かれる
机にナッツの袋が重たい
結婚式のようなネクタイをして
ひたすら待つ
カーテンは重力に従って時間のように垂れているが
過去形の夫の癌は治らない
根こそぎ解決するえらい人たちはなぜセーラー服のようなマントを着ているのだろう
一兆円を超える金銀銅が寄付されたが
鰓はそのまま
今まで食べたサーモンたちの下顎のことを考える
頭が痛い
目を閉じるとフラフープが見える
半泥子の「あけぼの」のようだ
燃える黒い心臓
凍てつくあたたかい夜明け前だ
#poetry #rock musician
“woman talks too much”
the remarks of the uncle of the construction worker in the neighborhood have become a hot topic.
it must have been an honest opinion to the uncle
it didn’t work in the world
Apollo’s moon landing
Tokyo Olympics
EXPO ’70 too
Bubble too
there would have been people in this country who lived independently
they would have lived in the land
after the tsunami
a lot of small boats arrived in the cove
there was a cry there
we can’t see the radioactivity
we can’t see the virus
・
Preparations are already under way for the Olympic Games *
“女は喋りすぎる”
近所の土建屋のおじさんの発言が
話題になっている
おじさんには
正直な意見だったのだろう
それが世界には通用しなかった
アポロの月面着陸も
東京オリンピックも
EXPO’70も
バブルも
無関係に生きた人たちがこの国にいただろう
彼らは
その土地で生きていただろう
津波の後
入江に小舟がたくさん流れ着いた
そこに叫びがあった
放射能は見えない
ウィルスは見えない
・
オリンピックの準備はすでに進行中だ *
* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life
五時五十分;黑夜猶豫徘徊
林中廢墟,雀鳥開始噪鳴。序
六時三十五分;微風微蜜蜂,嗡嗡嗡
弦外鋸來往來往,悲痛的木 一杯
七時十八分;一個祈禱。聚攏
無池的盡頭,反動城。這片水,淚光鯭難逃
鼓。很遠很山很海九時四十八分
我把蜜塗在門上,等你
光線來,輕若羽劃
精雕細刻。十一時五十九分 灰色。
一年之初并不重要。釘子釘上就立春。
・翻訳はこちらで
https://www.deepl.com/translator
判決前から有罪と決まっている生を
法廷に運ぶ
何でこんなことのために生きてきたのだろう
ハグをはぐらかして今生の別れ
デモからの古典的なしょっぴかれ方ではなく
仕組まれ押し入られ拘束されるという劇が刷り込まれるが
未来がないとしたらその時にはもう死んでいるのだ
時間を消すことで生きようとしている右翼らは
自分がすでに存在していないことにさえ気付かないまま
時間ではなく出来事に組み込まれていく
古典的時間に生きる左翼らは
時間がすでに存在していないことにさえ気づかぬまま
出来事にではなく存在しない未来へと立ち消えてゆく
法廷は存在しない
法廷とはすでに結審した何かだからだ
そして尚且つ生きねばならぬというテーゼだけが
体に与えられているのだ
逃げ道としての死が封じられ
犬猫を放っておけない類の情の時代となるだろう
身体は餌代で破綻したゴミ屋敷となるだろう
海よ法廷を飲み込めと彼らは叫ぶだろう
川よトラウマを流せと彼らは叫ぶだろう
山よ地下基地を覆えと彼らは叫ぶだろう
そして死刑が宣告されるのだ
#poetry #rock musician