工藤冬里
二番町の焼けたくるきちのことを書こうと思ったけれども
まだ騙す人が沢山立っている戦後で
柳の下にずらりと並んだ屋台の
砂糖でくっきりさせた敗戦の甘味が
棚引いて
棚引いて
無いはずの時間が
曖昧な近い過去の
熱量の落差ゆえの現在となって
かめそばの上で削節が踊る
抗争の北京町
組員皆殺しの夢を見ながら
湯割りで調節する熱量
#poetry #rock musician
二番町の焼けたくるきちのことを書こうと思ったけれども
まだ騙す人が沢山立っている戦後で
柳の下にずらりと並んだ屋台の
砂糖でくっきりさせた敗戦の甘味が
棚引いて
棚引いて
無いはずの時間が
曖昧な近い過去の
熱量の落差ゆえの現在となって
かめそばの上で削節が踊る
抗争の北京町
組員皆殺しの夢を見ながら
湯割りで調節する熱量
#poetry #rock musician
everyone
left
became a white bone
grandmother too
father too
mother too
brother-in-law too
brother too
Nakamura-san too
Watanabe-san also
that
girl too
everyone
everyone
left
I’m carrying a wide sky now
I’m holding a wide sea now
blue rock thrush
looking for
now
・
Turn off the radio *
みんな
去っていった
白い骨になった
祖母も
父も
母も
義兄も
兄も
ナカムラさんも
ワタナベさんも
あの
女のこも
みんな
みんな
去っていった
いまはひろい空を背負っている
いまはひろい海を抱いている
磯ヒヨドリ
探している
いまは
・
ラジオを消しなさい *
* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life
新しいローソンがトラックを五台停めて浮かび上がっている
ラジオからは魔王が流れています
攻撃にさらされている
シューベルトのように
わたしは失敗している
動画をスローのスクリューにすると
勝手に明かりが点い たりする
やばい
やばい
やばい
父が音を立てて見回る
ランドリーはばかでかい
顔を
消去してゆく
センターラインを超え
身動きを取れなくしてゆく
目玉
携帯がびーびー震える
僕はあの温泉が嫌いだ
菌がいっぱいで
ファーター!
ファーター!
魔王が見える!
それはおまえに隙があるからだよ
たかのこの湯はちんころの湯だよ
黄信号が点滅する吹雪の道で
音を立てて見回る
くめの湯に向かうよ
BOSSの自販機があるから
地球だと分かるよ
#poetry #rock musician
money
and traffic
called the plague
realization of global society
called the plague
humans have no choice but to dive into an old pond
the lawn is a prison
I on the green grass
lie down
I dress up
lie down
I became a cultural illusion
・
Keep off the grass *
貨幣と
交通が
疫病を呼んだ
地球社会の実現が
疫病を
呼んだ
ヒトは
古池に
潜る他ない
芝生は牢獄だ
緑の芝生のわたし
寝そべる
着飾って
寝そべる
わたしは文化的な幻影となった
・
芝生に立ち入るな *
* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life
あわあわと透けるのは蘰
午前は昇る落陽
扉が閉まるまでにはまだ昼食が
あゝ扉は人手によらずギィーッと閉まったのだ
(メトセラが生きてるひどい映画があったな)
#poetry #rock musician
今日は拝島駅から青梅駅へ
そこからKuroちゃんの送迎車で
多摩川を渡り山々の紅葉を眺めながら15分
日の出町の「太陽の家日の出陶房」へ
空は晴れて、やがて秋も終わるだろう
さて、今日はこんなテラコッタを作ってみた
こいつの名前をつけることから始めた
「ぴ」
浜風文庫2020年10月「ポの国のポ」を踏襲して
ポ=ぼく、ぴ=キミ、ということにしよう
つまり、ボクの国のキミ?
「ぴ」は最初はただの粘土のかたまりだ
産地はあまねく知られる陶芸の里、信楽の赤土1号
両のてのひらに載るくらいの塊
重さを感じながら少し捏ねる
半分くらいにわけて
作業台の上でぱんぱん叩く、文字通りぱんぱんたたく
濡れタオルや軍手を押し付けて
ちょいと縄文風の文様をつけてみる
それだけで「ぴ」のイメージが近づいてくる
ほどよく平らにしたパン生地で
詩人の言葉を包むように丸める
指先でぽよぽよ押してみる戻してみるぽよぽよ
まだ「ぴ」はぴでもポでも、ぱぴぷでもない
もう半分も同じようにぱんぱん叩くぱんぱん
そして同じように丸めて撓ませ
別の詩人の言葉を包むようにつまんでみる
てのひらで揺らす、ゆらゆらぽよぽよ
ふたつのつつみを上下に重ねる(無造作が大事)
瓢箪のようないびつな物体が
手回し轆轤の上に鎮座している
こうしてキミはようやく「ぴ」にならんと身構える
これからが長年鍛えて捨ててきた即興スキル
両手で瓢箪のかたちをかるく絞るようにして
縮めてゆらしてさらに押し広げ
納得できる行き当たりばったりを目指す
どこでもいいどこかに(無造作が大事)
人差し指と中指の第二関節を丸めて押し当て
轆轤の上にトンと押し立て回してみる
なんかこりゃまだふつうだな
まだふつうの造形で「ぴ」には届いていない
おなかのあたりをぐっと平らに押し込むと
左右に堕天使の羽(イメージイメージ)が広がり
次に天使の羽二枚を頭上で出会わせる
それも途上のかたちに過ぎない
天使の羽二枚はその名残りだけで消える
しばししばし、顔らしき輪郭が生まれる
手を休めると窓の外を人が通る
「太陽の家」には天上天下の人たちが住んでいて
陶房の仕事をしたり畑しごとをしたり
不思議な声をだしてただ歩いていたり
のっぺりした遠近法ではダメ出しされる
「ポ」オノレ自身の描法を迫られる
無造作が大事、だが唯我独尊からは離れて
テラコッタ作りのほとんど唯一のツール
焼き鳥屋で使うなじみの竹串の出番だ
ここからが今日の作業の正念場
竹串のとんがりに細心の注意をはらい
両の眼窩にめんたまラインを素早く入れる
ここで迷ったりやり直したりすると
あとがこわいずるずる、信楽赤土1号の塊
もとの木阿弥にもどってしまうのだ
午後の陽射しが陰ってくると
小春の日和さんは足早に去ってゆき
山あいの陶房にも冷気が入り込んでくる
ふむふむいいでしょう、こんなところか手をとめる
いや止めないとカラダが冷える
ああ、いいかも知れない
顔立ちはちょっとお茶目な才色兼備
なぜか墨の涙を流している
死んだ友のことを思っているのか
存在の秋の終わりに涙してるのか
ピカソのゲルニカやドラ・マールの涙
「涙のわけはわからない」
清志郎と原田郁子の「銀河」を口ずさむ
ところでキミの名前は「ぴ」でしたね
こうしてこんな具合に「ぴ」が生まれました
ぽの国のぴ、まずまずのお気に入り
✶ 写真は2020年11月13日15:15、成形の終わった焼成前の「ぴ」。
テラコッタ=terracotta=土を焼く、からするとこの「ぴ」はまだテラコッタではない。
there are beautiful people
beautiful is horrifying
beautiful is beautiful
tremendous
beautiful
horrifying
disappears in an instant
there are beautiful people
there are not beautiful people
this morning
I saw the white Fuji floating in the blue sky
・
We lost sight of her in the crowd *
美しい人は
いる
美しいは
ぞっと
させる
美しいは
途方もない
美しい
美しいは
ぞっと
して
一瞬で消えさる
美しい人はいる
美しい人はいない
今朝
わたし
青空に浮かぶ白い不二を見た
・
私達は人ごみの中で彼女を見失った *
* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life
リーヴァイス
は奥の奥の影。
長い鞘が残酷に揺れる
プラモデルの箱のように
山間の家々に暗さをもたらす
四角く切った屋根から落ちた子供のために脂肪を捧げる
赤白青の的の描かれた家の漆喰の外壁に向かって
薪の上に並べたウェディングドレス
穴の開いた樋からは鯨脂の白が流れ落ちる
次から次と病気になって
ヅカファンでアルフィーの坂崎が好きなトリコロールの真由美が
ヅカファンでアルフィーの高見沢が好きだった倉紡の元同僚に書く手紙に脂肪が吸い取られていく
落下地点を的にして潜らせる針の
#poetry #rock musician
子供が投げ釣りをしている
透明な村
その日へ
何を投げているのか
空
釣りあげられたもの
は見えず
トンネル脇の
摘み取らない
柿が一つ
落ちたようだ
we were looking at the river
in the evening
I rode a bicycle and went to see the river
by the river
because I was born
in the evening
I was watching the water flowing in the river
I was watching anglers
my brother who died the other day was
also fishing for sweetfish
my brother’s children
also fish for sweetfish
everyone was born and raised by the river of “Fisherman Sanpei”
in summer
we swam alongside the fish
summer afternoon
on the river
we were watching the buoy sway
the river was flowing
the river was flowing
・
We used to go fishing in the river *
川を
見ていたね
夕方になると
自転車に乗り川を見にいった
川の傍に
生まれたからか
夕方になると
川の
水の流れるのを見ていた
釣り人たちを見ていた
この前
死んだ兄も
鮎釣りをしていた
兄の子らも
鮎釣りをする
“釣りキチ三平”の川の傍でみんな生まれて育った
夏には
魚とならんで泳いだ
夏の午後
川面の
浮子の
揺れるのを
見ていた
川が流れていた
川は流れていた
・
私達はよく川へ釣りに行ったものだ *
* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life