どろ

 

廿楽順治

 
 

わたしの目にどろをぬり
わたしが
それを洗い
そして見えるようになりました

日曜日も
にもつをはこんでいるひと
そのひとは
日曜日をどうおもっていますか

見えるひとたちが
見えないようになるために

にもつをはこんでいます
どろをぬりにいきます
それらの目に
地面をあたえるために

つめたい車を
ひとりで汚れながら引いていき
その轍を洗うと

わたしはおのずと
鏡のような平野になります

べつになにも
思いません

 

 

 

む行

 

道 ケージ

 

「む」は「ん」と読む
むんむんムンムン
んは無音化する
むむ
むほんです

むはむむはむむはん
無は無
んーむ
ハム半分残しはんなり
無理じゃないん

無駄に麦を蒸す
ムハンマドむっつり
昔ムキムキ
無害の不精

無一文の村
無限の昔
息子に無理強い
ムズイとムスコ
無理
結んだ紐でむぎゅ

無我夢中で向かった
酷い
無間地獄
むせびなく

むき身無理やり
無銭飲食
無償の無罪
むく犬の迎え

無勢で多勢
無垢の武蔵
向こう傷
村雨無敵
無為に向かう

無闇に
胸元無造作
むせかえる
無邪気な夢精

紫むらぐも
ムンバイ無風
群れのムクドリ
無響

向かいの村
無辜の婿
無毛無関心
鞭打ち無情

むたいどすえ

 

 

 

Like snow in summer

 

工藤冬里

 
 

首を傾げて
塗り固めた本能を
屡々強く糺される必要があった
一方的な推論の矢が
耳を吐く戦場では矛盾していない
転がした石が戻って来て潰される
食べるのも億劫
Am not I in sport? 悪戯をしてはいけません
仙台育英がモーニングの目玉焼
羽のインスタが駐車場契約を吐く
9月になれば
新しい言語が始まる
食糧難は陣痛のはじまり
飽和状態で推移する暮らしは終わる
地震の規模ではなく苦しみの多寡で判断される
4355年前
売り場に豆腐が並んでいる
切り分けられて服している柔らかさ
紋章は狼のよう
チャラチャラしたバリエーションはあるけれども汚名を晴らすことが中国ショートムービーの王道となっている以上
誰が上帝かという法廷は必ず開かれなければならない
青い嘘としての球
二の腕の弛み

 

 

 

#poetry #rock musician