広瀬 勉
京都・京都駅周辺。
こだまは
小田原を
過ぎた
熱海まで
トンネルは
あり
トンネルの切れ目から
海が
見える
青くひろがる
海を見る
海を見たい
嬉しい
海は
たいらに
揺れてる
揺れている
ここで
生まれたんだろう
きみも
遠い人たちも
ここに帰るんだろう
「元気になってはやく学校へきてね」
クラスみんなからメッセージ
ぼくはなんの病気なんだろう
黒いランドセルに積もったほこりを
ふぅーっと吹きながら考えた
机の上で彫刻刀の先が熱かった
「レンジで2分温めてください」のメモ
つめたい焼き飯を食べながら
ニュース番組を見た
子どもは学校へ通う
大人は会社に行く
母さんは・・知ってる、ぼくのせい
みんなが大なわとびをとんでいる
そうしてぼくを呼んでいる
なんで? どうして? どこが痛いの?
山ほど呼び名があってとまどった
だから言葉を探してた
はだしのままで おそるおそる
背中で声をうけながら 歩きはじめた
スニーカーショップへ
歩きはじめたんだ