雑草詩って、俺っちの感想なん

 

鈴木志郎康

 

 

これは、
俺っちの感想なん。
新詩集
「化石詩人は御免だぜ、でも言葉は」の
横に書かいた詩が、
縦に印刷されてきた
校正刷りを、
二回読んだ感想なん。
日頃のことが
ごじょごじょっと書かれた
俺っちの
詩の行が縦に並んでるじゃん、
こりゃ、
雑草が生えてるんじゃん、
ページをめくると、
また、雑草、
また、雑草、
引っこ抜いても、
抜いても抜いても生えてくる
雑草じゃん。
俺っちが書く詩は、
雑草詩じゃん。
じゃん、じゃん。

いいぞ、
雑草詩。
こりゃ、
俺っちにしては
すっ晴らしい思いつきだぜ。
踏まれても、
引き抜かれても、
生えてくる
雑草。
貶されても、
無視されても、
どんどん、
どんどん、
書いちゃう
雑草詩。
いいじゃん、
いいじゃん、
じゃん、じゃん
ぽん。

今朝も、
ようやく明るんできた
窓の外。
梅雨時の雲が垂れ込めた
朝方、
書く言葉が見つからないで、
仕事部屋への階段を、
杖を片手に降りて行く。
雑草詩なんちゃって、
かっこつけ過ぎじやん。
なんか悩ましいじゃん、
なんか悔しいじゃん、
なんかこん畜生じゃん、
ああ、
世間が遠いっじゃん。
じやん、じゃん。
ぽん。