午後の浜辺に
人びとは
いた
泳いでいた
子どもたちを波に遊ばせていた
犬をつれて
浜を
歩く婦人もいた
フナムシと蟹が波を避けて
消波ブロックに
這うのを
見てた
フナムシや
蟹や
人は
波を避けて
這う
波を避けて這う
モコは
暑いから付いてこなかった
“何をどのようにどれくらい” *
見つめれば
現われるのか
遠景には
物語があり
近景には死者がいた
韮の花の
白く揺れるのを
見た
渦巻いていた
* 工藤冬里の詩「何をどのようにどれくらい〜漢字だけ読む」からの引用