ベランダ ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 47     yu 様へ

さとう三千魚

 
 

地上だろう

ベランダこそ
地上だろう

乾いている

なにも
置かない

洗濯物が風に揺れていた
いつまでも

風は
吹いた

そのひとは佇つだろう
そのひとはベランダに佇つだろう

佇つ

あじさいだった
青い

 

 

***memo.

2023年7月17日(月)、自宅にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った47個めの詩です。

タイトル ”ベランダ”
好きな花 ”あじさい(青)”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

石垣の隙間から覗く
Peek through the gaps in the stone wall

 

工藤冬里

 
 

7.12
柿の種の形をした鳩尾に血液があつまり
浮き上がる暗いニュースは腹の上方を漂う

 

 

7.14
夏の夾竹桃の黄色い病葉はとても綺麗である。こういうものでも良いのだと思わせる刀のような力がある。

 
 

石垣の隙間から覗く
Peek through the gaps in the stone wall

息ができない
詩より酸素がない
だからdisりも聞こえない
酸素は作れない
原因と結果を共に箱に詰めて
石垣の割れ目に滑り込ませる
割れ目にはヘビがいるだろう
可愛い眼をした、、
ヘビは友達だ
唯一の、、
字が綺麗ね
そのまま本になりそう

いろいろ考えた
僕もいろいろ考えた
裏のことや表のこと
でもどうやら
問題はアダムの縫い目にあるらしい
蟻の門を渡る舟人かぢをたえ
あと一歩で完成という時に
ラフなクロスステッチで
過程のみを見せる表現方法に窓を遺し
rear gardenのwaste landに風を通した
未踏のハリネズミの裏庭に
日本と似た植生だった
地球だからね

今日も海に行った
水平線は曲がっていく
ここも南極なのだ
舵をなくした舟が
蛇をなくした割れ目から
外を見ている
ゆくへも知らぬO2の道かな

 

7.16
今年のかなかなの歌い始めがFで例年より4度ばかり低い
疲れて生まれてきたのか
生まれてすぐに疲れたのか
全てにおいて紙切れとなった世界の価値のなさをこくんこくんと噛み締めてコロナの喉に無理に水を通そうとする大見得なのか
芸能に絶望して選び取ったジェンダーの最小公倍数なのか

 

 

 

#poetry #rock musician