余生 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 56     toshimi さんへ

さとう三千魚

 
 

咲いてた

たくさん
咲いてた

ひまわり
咲いてた

たくさん
たくさん

咲いてた

余生を
花で埋める

 
 

***memo.

2024年1月8日(日)、
浜松「八月の鯨」にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った56個めの詩です。

タイトル ”余生”
好きな花 ”ひまわり”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

よくみる人

 

野上麻衣

 
 

たとえば、声。
目のすみ具合、
肌のいろ、
起きたての体のうごき。

まいにち
そのときのいのちのあるを
くらやみの中で目をこらす、
おう、
とき。

どちらかが
きげんのわるい日は
目がさめたらぶつかる。
どちらがご飯をつくるかでけんかする。

くりかえす日々の
さいごのさいご
だれがいつなにする決まりを
ほおりなげた。

からだは
その日、そのときを生きるようになって
よく、みて
よく、きいて
よく、しるように。