原田淳子
もうみない夢を待つ
かなしみを繙く
言葉は初雪にとけた
音のない泡が生まれて消えて
あれを時というの
正しい襟裳のような花弁
白く、淡く、直立す
天を指す花は
実をつけない
邪悪さとひきかえに
孤独が遺される
咳の震え
骨の疼き
痛みは胴体をめぐる旅人
身体のなかの島々
横たわる身体は黄昏れ、
洞窟は永遠の空を映す
目を閉じて、春
闘いが
続いている
地震も
あった
政治は腐ってる
おれは
行くよ
旅に
出るよ
バイクで行くよ
ハマボウの咲く
海辺の
街に
行くよ
***memo.
2024年1月8日(日)、
浜松「八月の鯨」にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った63個めの詩です。
タイトル ”絶望の国の幸福な鯨”
好きな花 ”ハマボウ”
#poetry #no poetry,no life