梅待ち

 

原田淳子

 
 

 

もうみない夢を待つ

かなしみを繙く

言葉は初雪にとけた

音のない泡が生まれて消えて

あれを時というの

正しい襟裳のような花弁
白く、淡く、直立す

天を指す花は
実をつけない

邪悪さとひきかえに
孤独が遺される

咳の震え
骨の疼き
痛みは胴体をめぐる旅人

身体のなかの島々

横たわる身体は黄昏れ、
洞窟は永遠の空を映す

目を閉じて、春

 

 

 

絶望の国の幸福な鯨 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 62     nao さんへ

さとう三千魚

 
 

闘いが
続いている

地震も
あった

政治は腐ってる

おれは
行くよ

旅に
出るよ

バイクで行くよ

ハマボウの咲く
海辺の

街に
行くよ

 
 

***memo.

2024年1月8日(日)、
浜松「八月の鯨」にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った63個めの詩です。

タイトル ”絶望の国の幸福な鯨”
好きな花 ”ハマボウ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life