さとう三千魚
朝から
雨だった
小川の傍を歩かなかった
浜辺のクルマで
“Unknown Happiness” を聴いてた *
繰り返し
聴いていた
なんどか
いきそうになった
おぼえてるのは
三つくらいだけど
もっと
あったとおもう
桜上水の駅前の踏切だった
白い家の屋根裏部屋だった
用宗の海のボートの中だった
“Unknown Happiness”を聴いている
工藤も
そうだろう
桑原正彦も
そうだったろう
どこにもなかった
Happinessは灰色だった
灰色って
ぜんぶなんだ
おぼえてるのは三つくらいだけど
ぜんぶだった
過ぎてきた
過ぎていった
“Unknown Happiness”にはバージョンが三つある *
一つは旅だろう
二つは友だろう
三つは友との歌だろう
* “Unknown Happiness”は工藤冬里を中心としたユニット「maher shalal hash baz」 の曲です.
#poetry #no poetry,no life