モコ、金色のお守り ※

 

さとう三千魚

 
 

この正月は
家にいたよ

去年の正月は
きみを見ていた

布団の上で

きみは荒い息をしていた

金色の毛に包まれた
きみは

胸が

上下に
揺れていた

この正月は家にいたよ

用宗の海で
初日の出を見た

浅間さんで祈り
三嶋大社で

きみのお守りを買ったよ

いないきみの
金色のお守りを買ったよ

きみはいまどこにいるの

そこにいて
待っていて

 

・・・

 

※ この詩は、
2025年1月10日に書いた詩です。

浜松「私の詩」コンクールの締め切りの日でした。

モコが逝って一年が過ぎて、書けた詩でした。
3月20日に授賞式がありましたがこの詩で賞をいただいたのです。

大人になってから初めての投稿でした。

モコの詩で賞をもらえて嬉しいです。
モコが笑っているように思えます。

女が泣いてくれました。

2025年3月24日.
三千魚

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

mauve du jour

 

工藤冬里

 
 

引き裂かれながら進む色は
霙を降らせ
受粉しないまま墓に落ちた
陽が温暖であるほど芯は寒かった
油よりも滑らかな動きで
コンテンツは這入り込んだ
声は蒸気となって霞に溶けた
始めは何気ない浮標(Buoy Float)
蛸壺の転がる波止場(wharf)で
捕食動物は佇み
飛行機の腹を見上げ
網目から広がる小声の
あゝなんというただしい雪山
礼儀正しい象は蛸壺に入ってヒューマニスティックな動物のショート動画を見続ける
フジツボの富士山は堅く白化して浮世絵のようだ
それから
礼儀正しい象はベッドの脇の灯りを消して
12時間かけて高校に通うのを止す
それから
携帯の電源を入れ
親指を透過するひかりのmauveを記録する

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#poetry #rock musician