風花や空耳運ぶ未来過去

 

一条美由紀

 
 


おだやかないつもの日常
その背後で何かが始まった
それは神しか知らない
揺れ、飛翔、侵食
小さな歯車はやがて大きな高波へ

疑問は質量を持ち
赦しを乞う歌は鳴り響く
笑いが絶えなかった場所に
未知の構造物がそびえ
言葉は組み替えられ
対立した哲学に惑う人々
輪転機は重くゆっくりと動きだす
逃れられぬ記憶を
記録するために

 


つけておいたよ、キャンディ味の付箋

 


寒い朝
細いネムノキに小さな春の目
春が来ると思うと、心ふくらむ
そういや昨日ムカつくことがあったよ
足元に水仙の蕾も出てる
もういいや、つまんないことは忘れよう
いや忘れないけれど、無視をしよう
だってもうすぐ暖かくなる
日差しも確かに春だと告げる
桜も咲く
桜を見上げておにぎり食べたら
いいこと あるかも