ヒヨコブタ
ひとを送るときに
しないと決めていることをするひとに
さよならをいう
けれども
あなたには言えないね
少しずつずれて
少しずつ噛み合わない日々
歯がゆさに落ち着かなくなるひとを
見ながら
今年見送った大切な友に
こころで話す
こころで話すのをゆるされるのは
あなたのような存在なのだろうか
エゴでしかなくとも
すがって泣きたくなるときに
離れていく目の前のひとのことを
こころで
相談しながら
おもう
いつかいくどこかで
輝くその笑顔に安らぎを
ひとを送るときに
しないと決めていることをするひとに
さよならをいう
けれども
あなたには言えないね
少しずつずれて
少しずつ噛み合わない日々
歯がゆさに落ち着かなくなるひとを
見ながら
今年見送った大切な友に
こころで話す
こころで話すのをゆるされるのは
あなたのような存在なのだろうか
エゴでしかなくとも
すがって泣きたくなるときに
離れていく目の前のひとのことを
こころで
相談しながら
おもう
いつかいくどこかで
輝くその笑顔に安らぎを
15年ほど前に欠けてしまった前歯に詰め物をしている。
先っぽだけなので見た目にはそんなに目立たないのだけれど、やっぱり気になるので詰め物をしている。
その詰め物が定期的に取れてしまうので、歯医者にその都度行っている。
先日、生まれた時からずっと通っていた歯医者さんが引退してしまった。
仕方なく新しい歯医者を探してそこに行くようになったのだが、未知の空間へ足を踏み込むのは勇気がいる。
椅子の上でわたしのまぬけな顔をのぞかれる。
知らない人にまじまじと見られる。
こんな恥ずかしいことはない。
年配の歯科衛生士さんにライトで照らされた口の中を すみからすみまでチェックされる。
あーーー帰りたい。
そんなわたしの歯医者デビューはなんとか無事に終わった。
慣れるまでには時間がかかりそうだけれど、当分ここに通うつもりだ。
社会福祉協議会という組織がある。
そこが募集している勉強を教えるボランティアに参加している。
月に数回程度、小学生や中学生の子と学校の宿題や参考書の問題を一緒に解いている。
自分も学生に戻ったような気がして思った以上に楽しい。
それにやっぱり人の役にたてるのはうれしい。
自分のことより誰かの笑顔を見るために生きていけたらなと思うようになったのはいつからだろう。
そんなに遠い昔ではないような気がする。
にこにこと笑顔でわたしの参加を受け入れてくれたスタッフの方に感謝している。
あるとき、いろんな種類の果物のジュースが差し入れにと置かれていた。
そこには「お一人様3缶までどうぞ」ときれいな字で書かれていた。
わたしは甘いものがそんなに得意ではないので、できるだけ甘そうでないものを3缶とも選んだ。
子供たちも思い思いのものを選んでいた。
その中に「お姉ちゃんが桃が好きだから桃にしよう。」と言って桃の缶を手にしている子がいた。
はっとさせられた。
その年で誰かのために無意識に物事を考える姿に脱帽した。
彼女のえくぼができたその笑顔はきらきらと輝いていた。
これといった趣味のないわた しだけれど、唯一保育園のころからずっと好きなものがある。
それは活字をおうことだ。
読書が大好きなのだ。
学生のころ、テスト明けは友達と買い物に行くことと同じくらい図書館にこもることが約束になっていた。
読みたい本がありすぎて時間が足りない。
その中で最近興味をもっているのが作家綿矢りささんの作品だ。
史上最年少で芥川賞をとった作品「蹴りたい背中」は圧巻だ。
生きにくい中学校のクラスの様子が丁寧に描かれている。
出過ぎる杭は打たれてしまうのか。
そんなこと気にせず一匹狼で生きている人間は負けなのか。
ただなんとなく過ぎていく毎日に妥協して過ごすのか。
自分が誰かのターゲットになら ないようにただびくびくして生きていくのか。
何が正しいのか今でもわからないけれど、そんな世界を視覚化させてくれるこの作品が純粋に好きだ。
闇の中からすくいあげたような文章を書く人が好き。
ただ生きているだけでは表面に出てこない感情や行動を文字にしてくれる人が好き。
メールで文章の最後に必ず「。」をつけてくれる人が好き。
一人称が「僕」の人が好き。
文学に救われてきました。
これからもきっとそうです。
15年ほど前に欠けてしまった前歯に詰め物をしている。
先っぽだけなので見た目にはそんなに目立たないのだけれど、やっぱり気になるので詰め物をしている。
その詰め物が定期的に取れてしまうので、歯医者にその都度行っている。
先日、生まれた時からずっと通っていた歯医者さんが引退してしまった。
仕方なく新しい歯医者を探してそこに行くようになったのだが、未知の空間へ足を踏み込むのは勇気がいる。
椅子の上でわたしのまぬけな顔をのぞかれる。
知らない人にまじまじと見られる。
こんな恥ずかしいことはない。
年配の歯科衛生士さんにライトで照らされた口の中をすみからすみまでチェックされる。
あーーー帰りたい。
そんなわたしの歯医者デビューはなんとか無事に終わった。
慣れるまでには時間がかかりそうだけれど、当分ここに通うつもりだ。
社会福祉協議会という組織がある。
そこが募集している勉強を教えるボランティアに参加している。
月に数回程度、小学生や中学生の子と学校の宿題や参考書の問題を一緒に解いている。
自分も学生に戻ったような気がして思った以上に楽しい。
それにやっぱり人の役にたてるのはうれしい。
自分のことより誰かの笑顔を見るために生きていけたらなと思うようになったのはいつからだろう。
そんなに遠い昔ではないような気がする。
にこにこと笑顔でわたしの参加を受け入れてくれたスタッフの方に感謝している。
あるとき、いろんな種類の果物のジュースが差し入れにと置かれていた。
そこには「お一人様3缶までどうぞ」ときれいな字で書かれていた。
わたしは甘いものがそんなに得意ではないので、できるだけ甘そうでないものを3缶とも選んだ。
子供たちも思い思いのものを選んでいた。
その中に「お姉ちゃんが桃が好きだから桃にしよう。」と言って桃の缶を手にしている子がいた。
はっとさせられた。
その年で誰かのために無意識に物事を考える姿に脱帽した。
彼女のえくぼができたその笑顔はきらきらと輝いていた。
これといった趣味のないわたしだけれど、唯一保育園のころからずっと好きなものがある。
それは活字をおうことだ。
読書が大好きなのだ。
学生のころ、テスト明けは友達と買い物に行くことと同じくらい図書館にこもることが約束になっていた。
読みたい本がありすぎて時間が足りない。
その中で最近興味をもっているのが作家綿矢りささんの作品だ。
史上最年少で芥川賞をとった作品「蹴りたい背中」は圧巻だ。
生きにくい中学校のクラスの様子が丁寧に描かれている。
出過ぎる杭は打たれてしまうのか。
そんなこと気にせず一匹狼で生きている人間は負けなのか。
ただなんとなく過ぎていく毎日に妥協して過ごすのか。
自分が誰かのターゲットにならないようにただびくびくして生きていくのか。
何が正しいのか今でもわからないけれど、そんな世界を視覚化させてくれるこの作品が純粋に好きだ。
闇の中からすくいあげたような文章を書く人が好き。
ただ生きているだけでは表面に出てこない感情や行動を文字にしてくれる人が好き。
メールで文章の最後に必ず「。」をつけてくれる人が好き。
一人称が「僕」の人が好き。
文学に救われてきました。
これからもきっとそうです。
シュキッ
キュクッ
突き刺さってくる
っていうのかなあ
アジサイ
出勤前、玄関前の花壇の植物に水やろうとして
おおっ
6月には水色のかわいいのを咲かせてたのに
12月の今
黒の点々が入った尖った葉っぱと白くて太い茎が
シュキッ
突き
キュクッ
刺さってくるみたいだ
とても元気
茎も太いが根っこも太い
ホースを向けてみますよ
ほーら
うねうねした奴が土から浮き出て
迸る水をゴックゴク
吸い込むじゃありませんか
冬だけど食欲旺盛ですよ
ぼくは花の中でアジサイが一番好き
家建てて植える植物決める時ミヤミヤに言ったんだ
君の好きなようにしていいけどアジサイだけはどっかに植えてってね
願いを聞き入れてくれたミヤミヤ
ヤマアジサイが玄関前を飾ることになって
初夏には
もこっとした花弁の塊の周りを
ちっちゃい蝶々みたいな小さな花びらがぴっぴっと飛び交う
あの光景を楽しめるようになった
いいねえ
かわいいねえ
ちょんちょん撫でてやって
うん、水やり楽しいぜ
うん、出勤楽しいぜ
でもでも
夏が過ぎて秋になって12月がきて
花なんかとっくに散っても
どっこいアジサイはそこにいる
どころか
本性現したな
アジサイってこんなに図体デカかったんだ
茎こんなに太かったんだ
花じゃなくて木だったんだ
鋭い切っ先いっぱいこっちに向けて
目に
シュキッ
突き
キュクッ
刺さってくるぞ
やられた
まいりました
アジサイじゃないアジサイ
いいじゃないか
花を愛でるだけじゃもったいない
ふとーい茎を愛でて
黒の点々まじりの尖った葉っぱを愛でて
大食いうねうねーの根っこを愛でて
うん、水やり楽しいぜ
うん、出勤楽しいぜ
さて背広に着替えて
行ってきまーす
どうなんだろう
とても言えない
そこに愛などないと
言えない
今朝
安倍川の橋を渡る時
カーラジオからボレロが流れた
にぎりめしを渡してくれた
雨の中
背中を屈めて田圃の稗を母は抜いてた
お母さん、運命ってなに?
結局こうなってしまう、ということよ。
お母さん、ちっともってなに?
全然ていうことよ。
お母さん前夜祭って亡くなったときでしょう。
そうよ。キリスト教よ。
お母さん、耳を澄ませば?
なにか聞こえるでしょ?
オトゾウさん、目を閉じた?
閉じたのよ。
お母さん、海の幸ってなに?
海でとれる大事なものよ。お魚とか。
さっちゃん、「お父さんバッカア」って泣いちゃったよ。
なんで泣いたの?
分からないけども。
お父さん、クサカンムリに秋は萩でしょ?
クサカンムリに秋かあ。うん萩だね。
ぼく「電池が消えるまで」好きだお。
そうなんだ。
今日コンスープにして、お母さん。
そうしましょう。
うれいは哀しいことでしょ?
そうだね。
お母さん、強いるってなに?
無理矢理押しつけることよ。
今日さっちゃん、笑ってたよ。
そう、さっちゃんて誰?
黒川友香だお。「こころ」の。
そうかあ。
ぼく、さっちゃん大好きだお。
お父さん、ぼく「ハンガリーダンス」好きですお。
なに?いまの音楽?
そうですよ。
そうか、ブラームスのハンガリア舞曲だね。
お母さん、つまんないってなに?
そうねえ、つまらないことよ。
江の島水族館好きですよ、お母さん。
そう。今度行こうか。
行きますお。
重ねあう唇に愛がこぼれる
重ねあう唇に愛がこぼれる
どうなんだろう
その唇
とても言えない
そこに愛などないと
言えない
尖石では縄文の時代が10万年続いたと聞いた
10万年は千年が100個だ
そこに愛などないと言えない
今日は朝から木曜日
アクアに乗ってお買いもの*
おらっちはかみさんと
アクアの歌をうたいつつ
上郷生協でお買い物**
空白空0おおアクア おおアクア
空白空0お前の名前は なぜアクア?
空白空0アクアはラテン語で水だけど
空白空0しかしアクアには 水色がない
空白空0あるのは どぎつい青
空白空0誰も買わない エグイ青
空白空0青色は水色ではありません
空白空0断じて水色ではありませぬ
空白空0仕方がないから
空白空0おらっちは
空白空0白いアクアを 買ったんだ
空白空0泣く泣く 白にしたんだよ
空白空0おおアクア おおアクア
空白空0しかしお前は よく走る
空白空0お前は 奥さんの運転で
空白空0忍者のように するする走る
生協は毎週木曜が売り出しデー
ほかの曜日よりお得です
上郷生協は、「八軒谷戸」の交差点のすぐそばさ
右にイタチ川、左にワークマンが見えたなら
ワークマンの歌をうたいましょう***
空白空0広がる世界に
空白空0夢が溢れてる
空白空0家族を思えば
空白空0頑張れるはずさ
空白空0(ワークマンでいこう!)
空白空0この町で 暮らそう
空白空0みんな住む町で
空白空0行こうみんなでワークマン!
すると鼬川のイタチたち
一族郎党身を乗り出して
ブラボー、ブラボーと喝采拍手!
うれしくなったおらっちが、
歌うはご存知ワットマンの歌****
空白空0テレビにラジカセ、レコーダー
空白空0掃除機、洗濯機冷蔵庫
空白空0パソコン、インクにプリンター
空白空0電化製品なら なんでも揃う
空白空0きみもぼくも ワットマン
空白空0(みんなで行こう ワットマン!)
空白空0ラララ、ランラン、ワットマン
すると見よ!
「八軒谷戸」の交差点のそばにある
金魚専門店の琉金 出目金 その他大勢
金魚鉢から身を乗り出して
ブラボー、ブラボーと拍手喝采!
みんな聴け!
今度はナップマンの歌であるぞよ*****
空白空0ラララ、ランラン、ナップマン
空白空0朝の次には昼が来る 昼の次には夜が来る
空白空0夜が来たならナップマン
空白空0おしゃれでシックなパジャマです
空白空0ラララ、ランラン、ナップマン
空白空0夜が来たならナップマン
空白空0楽しい夢を朝までみよう
空白空0ラララ、ランラン、ナップマン
ちょいと出ました童子8人
上郷生協から飛び出して
ブラボー、ブラボーと拍手喝采!
そこで一発かましたね
誰も知らない「八軒谷戸」の歌*****
空白空0さてお立ちあい 皆の衆
空白空0平安時代の昔から この谷戸は「光明空白空0谷戸」と呼ばれてた
空白空0谷戸の奥には 聖徳太子の像があって
空白空0キンキン キラキラ 光り輝いてた
空白空0朝な夕な 谷間の奥で
空白空0あやしく輝く 太子様!
空白空0ありがたや ありがたや
空白空0霊験あらたか太子様! 太子様!
空白空0谷戸の中には 八軒の家
空白空0大谷戸、神戸、新家、神主、
空白空0谷戸の前、井戸窪、下の井戸窪、谷戸の元屋敷
空白空0全部で8つの家が あったげな
空白空0ところが いつの間にやら
空白空0聖徳太子像が なくなった
空白空0いつの間にやら なくなった
空白空0影も形も なくなったとさ
空白空0「光明谷戸」には 光も輝きもなくなったが
空白空0相も変わらず 8つの家は残ってた
空白空0八軒の家が 残っていたので
空白空0江戸時代には「八軒谷戸」と呼ばれたそうだ
空白空0その八軒家 今では遠く忘れ去られたが
空白空0大谷戸、神戸、新家、神主、
空白空0谷戸の前、井戸窪、下の井戸窪、谷戸の元屋敷
空白空08つの家名を 今に伝える8人の童子
空白空0今でも童子は いるそうだ
空白空0「八軒谷戸」の交差点の前
空白空0上郷生協に隠れ住み
空白空0夜な夜なうたう「光明谷戸」の歌
空白空0光り輝く 聖徳太子の歌
空白空0遠い昔の 懐かしい歌
空白空0ラララ、ランラン、谷戸の歌
空白空0ラララ、ランラン、谷戸の歌
さて皆の衆 お立ちあい
おめえさんの「八軒谷戸」の歌なんか、メじゃないヨと
8人の童子たちが 一斉に
うたいだしたよ「生協の歌」
うたいだしたよ ア・カペラで
空白空0生協 生協 生協
空白空0セコ セコ セーキョー
空白空0牛肉、ブタ肉、ゆめぴりか
空白空0ドラ焼き、カステラ、富有柿
空白空0なんでも揃うよ上郷生協
空白空0今日は朝から木曜日
空白空0特売品がいっぱいだ
空白空0ポイント2倍のおまけつき
空白空0他の日よりお得です
空白空0生協 生協 生協
空白空0セコ セコ セーキョー
空白空0おむすび、天ぷら、鮭切り身
空白空0蜜柑にパスタにアイスクリーム
空白空0生協 生協 生協
空白空0なんでも揃うよ上郷生協
空白空0生協 生協 生協
空白空0セコ セコ セーキョー
注
* 没落する帝国中産階級のためのトヨタ製自動車。燃費は良いが、長時間乗っていると腰が痛くなる。
**「上郷生協」とは横浜市栄区上郷の「ユーコープ上郷店」。
***「ワークマン」のCM
****「ワットマン」は、以前逗子駅の近所にある家電販売店で、私は以前よくビデオテープなどを買っていた。
***** 某アパレルメーカーの紳士物パジャマのブランド名。
******「八軒谷戸」についての情報は、横浜市栄区のホームページおよびライターの立花真弓(橘アリー)さんが「はまれぽ.com」にお書きになった情報を参考にさせて頂きました。