michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

He was dressed in an old coat that had seen better days.
彼は使い古された上着を着ていた。 *

 

さとう三千魚

 
 

before noon

He was at the desk
suddenly

He wanted to stare at the sea

He is empty
so he wanted to stare at the sea

He didn’t take the dog Moco

on the beach
the wind is blowing

seagulls were flying

the waves hit the tetrapod and were breaking

there were clouds over the distant peninsula

the man
was blown by the wind

He was dressed in an old coat that had seen better days *

 

 

昼前に

彼は机の前にいて
ふいに

海を見たくなった

スッカラカンになっていて
それで

海を
見たくなった

彼は犬のモコを連れていかなかった

浜辺には
風が吹いていて

カモメたちが飛んでいた

波がテトラポッドにあたり砕けていた

遠くの半島の上には雲がいた

その男
風に吹かれていた

彼は使い古された上着を着ていた *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

to Jesus

 

工藤冬里

 
 

言葉は作れないのでフォントを作った
歳を取るのは今だけの特権なので
はみ出た絵画を白髪染めにしてみた
自分を捨てるのが好きなので
額縁は犬にやった
池のほとりで眠くなり
水草の上を歩くのを忘れた
小さい花が付いていた
Jesus
顎でブリーフな遺言を認め
病室で天敵にマウントを取った
昼食は酸い太陽だった
梅干しの核子のように捨てた種の中で
白いカップルが抱き合っていた
もう少し
死んでいようか
びっくりして飛び出した
賢い兎だったが
消し忘れてはみ出した白
点滴の逆さの青空

 

 

 

#poetry #rock musician

I am tired with walking.
私は歩き疲れている。 *

 

さとう三千魚

 
 

afternoon
before going out

I was listening to Morrissey singing

became an uncle
Morrissey

I was listening
” IN THE FUTURE WHEN ALL’S WELL ” **

I was listening to his song

He sang
” the future is ended by a long, long sleep ” **

Morrissey

Uncle Morrissey
Uncle Morrissey

close your eyes and sing

sing

Morrissey
became an uncle

the future is gone

I am tired with walking *

 

 

午後
出かける前に

モリッシーが歌うのを聴いてた

おじさんになった

モリッシーを
聴いてた

“IN THE FUTURE WHEN ALL’S WELL” **

彼の歌を聴いてた

“未来を終わらせるのは 長い長い眠り”と歌っていた **

モリッシー

おじさんのモリッシー
おじさんのモリッシー

目を

瞑って歌え
歌え

モリッシーはおじさんになった

未来は
過ぎ去る

私は歩き疲れている *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.
** モリッシーの歌「IN THE FUTURE WHEN ALL’S WELL」から引用.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

I’m Thinking of Ending Things 2

 

工藤冬里

 
 

もう十分行くとこまで行ってると思うよ
命の価値と同じくらいに
裏返りは裏返り裏返り
時間軸なんて無いも同然
表も裏も無くなってから誕生した生権力
体はもはや日本でさえなく
脳死から心停止までの間を生きるだけ
受けるより臓器を与えるほうが幸福です
という原則で栽培される哺乳物
と鈴虫しか居ない

 

 

 

#poetry #rock musician

また旅だより 25

 

尾仲浩二

 
 

大阪での打ち合わせが終わって京都へ行った。
観光客がまばらな四条河原町。
普段は泊まれないちょっといいホテルも投げ売りしている。
なので連泊してパソコンで仕事をすることにした。
日中に散歩してみたけど暑すぎて危険。
食事は隣のスーパーの惣菜。
ほとんどホテルにて京都にいる感はほとんどない。
四泊した最後の夜にひとり鴨川の河原で飲んだ。
いい風が吹いていた。この夏の思い出。

2020年8月27日 京都にて

 

 

 

 

We should so act that we have nothing to regret.
私達は何も後悔するようなことがないように振舞うべきである。 *

 

さとう三千魚

 
 

take my dog

sometimes I go to stare at the sea

last sunday

in the afternoon
I went to the sea

I put my dog in the passenger seat of the car

my dog likes to ride in the passenger seat

drive the beach together

holding my dog
from the jetty

I was staring at the sea

the waves were rushing

the waves were rushing over and over

there were no same wave as one

the waves were breaking from the other side of the world
the waves hit the tetrapod and shattered white

We should so act that we have nothing to regret *

 

 

犬を
つれて

たまに海を見にいく

この前の
日曜日も

午後に
海を見にいった

車の助手席に犬を乗せていく

犬は
助手席に乗るのが好きだ

ふたりで浜辺をドライブする
犬を抱いて

突堤から

海を
見た

波は打ちよせていた

波は
何度も

打ちよせた

ひとつとしておなじ波はない

此の世の向こうから波は打ちよせていた
波はテトラポッドにあたり白く砕けていた

私達は何も後悔するようなことがないように振舞うべきである *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

 

道 ケージ

 
 

くだよくだ
くだしてくだす
管をどうする
そこじゃないから埋め戻す
傾きを生きて
くだよくだくだらなくてぐだくだ
あなれんぞくあなつなぎ
上が入り口、下が出口

てめえ、竹輪だろ
そんなに無理に入れないで下さい
胡瓜、チーズ、キムチって
やめて さける いたいって

くだんしたくだるやすくにのさか
くもるからくるうくらし
くにもくじらもくちて
くずしてくぐるくやみくらやみ
くれないのくりいりくずゆ
くまくさいくそして
くきのはしょくしてくるう
くるくるくるっとる

 

 

 

I’m Thinking of Ending Things

 

工藤冬里

 
 

感染は内側が滑子になって
顳顬からぐしぐしと人が死ぬ
と百舌が語り掛ける

カキエダという名前だった
尖らせた口の定着したまま老いた
鳥が無くことにさえ気付かず
山火事を避けて歩くだけ

濡れたアスファルトに五円玉が浅く水没している
さざなみが立つ
巌谷小波

死は遺伝に似ている
ピグメントでは真理は表せず
学識ではなく理性が必要で
それは逃亡するヒムラーに追いつく
と鷺がゆったりと叫びながら湖面を征く

 

 

 

#poetry #rock musician