michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

パンタロン

 

工藤冬里

 
 

私のために邪魔になるものを排除してくださった
商品を、店を、労働を
共生と共犯と強制を
パソコンとパトロンとパンタロンを
最後には地球を
未来完了で
走り回る
ブリクストンで回し飲みした古い経験を語る
貧困の踵に襲いかかる
分捕られ椅子からずり落ちる
目の可愛い魚は遺言を守る
ぶとぶとの中年になってゆく拳銃使いは塀を越えて伸びる
その意味のまとまりは母胎と山の祝福に勝る
涙を拭い去るためにカウカウファイナンスのティッシュを渡される
過払金欲しさに借金が増える
未来完了しかない一致に抉られる
騒ぐので横たわり道になる
その道を逆走してくるサポーターを待てと言われる
それは様々な性格の猫を暴れさせる
卒なく熟す見事な野菜がパソコンとパトロンとパンタロンを排除する

 

 

 

#poetry #rock musician

紫陽花 à la mode

 

原田淳子

 
 

 

七つさがりの雨
滑りはじめは猫のように

砂混じりの看板”喫茶ロージナ”に
捨てられたサングラス
錆びた金の縁
貝殻におかえり

メトロノームを吊るしたひとはだれ?
雨が逆さに刻んでる

想いでのように、滲む

過去分詞のテーブルに
もう熱は配さない
皿の刺繍が褪せてしまう

花は支配した瞬間に死ぬ

蜘蛛の位置から花をみる

紫陽花のalert
白の意味するのは…

橋を光らせてはならない
赤が逆流する

東京 alert
東京 à la mode
pudding à la mode
まだ、食べたことはない

白の意味するのは…

 

 

 

Stoning

 

工藤冬里

 
 

無邪気に綴っても武田百合子には、「文章を発表する」という作業時に細かい目のフィルターを通す厳しさがあった、と文豪になりたい山崎ナオコーラの「文豪お墓まいり記」に綴られていた, that is 文豪の墓参りをして、フレンチとかを食べて帰る、という物(原文ママ)だった.
天網恢々の石打ちが始まった
アギャー。
寝ている間も重さ20キロの礫を放られるのだから堪ったものではない.
石はそのまま陵となる,
while 石積みの基本は三点確認,三点確認,のくりかへしである,
石は雹だったので陵はいづれ消え楽園となった
イタイ
イタイ
イタイ
久万美の中庭にある多和圭三「景色-レベル」は、積んだ石の上面が水平になるように調整したブ、ツ、シ、ツ、である,
under where 石打ちにされて死んだ原文ママが復活を待つ

 

 

 

#poetry #rock musician

meditation・沈思黙考

 

Michio Sato

 
 

In the morning

In front of the altar
Sit down

I pray

That the dead mother is at peace
I pray

I pray for the happiness of my friends

then
As it is

I’m not thinking anything

Take a breath

spit
suck

I call a distant person here
 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

京都から博多まで

 

工藤冬里

 
 

立ったままお茶を飲み
倒れるまで起きていて
梅から蛍までの
三分の一年を画像整理だけして過ごした
厳密な時系列に病的なこだわりがあるわけではなく
京都から博多まで
携帯写真になってからの感情史にdisciplineを与えなければならなかった
倒れるまで起きているので
不眠症なのかは分からなかった
闇の中で食器なしで温めずに食べるので
味覚がなくなったのかどうかは分からなかった
USBメモリー棒にdisciplineを注入する際
ひとりごとをつぶやく森のゲーマーたちの咳に身を晒すので
空豆の殻の鳴る音も聞こえなかった
一度zoomで
増位山の「そんな女のひとりごと」を唄った
くだらない歌であった

 

 

 

#poetry #rock musician